新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



音楽・歌詞考察

BUMP OF CHICKEN「乗車権」考察〜社会システムから「乗車券」と「バス」のメタファーを解く

「金環日食という言葉を特に意識していた訳ではないのだけど、歌詞は私の中から出てきたものだから、きっとどっかで見て、どこかで気になっていたんだと思う」 ドリカムの吉田美和さんが昔、テレビのインタビューでこんな風なことを言っていました。 (細かな…

槇原敬之『Hungry Spider』考察〜蝶を逃した蜘の気持ちと蜘蛛の巣に潜む作曲者の孤独〜

いつものことですが、あくまで「僕の解釈」なので、その点はご了承下さい。 小さい頃、カーステレオからよく流れてきた槇原敬之さんのHungry Spider。 僕がこの曲を好きになったきっかけは、妖艶なその曲調からでした。 大人になってある程度歌詞の意味など…

KinKi Kids『スワンソング』考察~描写に表れる彼女の本音を深堀りする~

一生に一度だけ咲いてそれまでにできた竹林とともに散ってしまう竹の花。死に花を咲かせた『RAVE』のシバや『NARUTO』のガイの父etc…「死に際に一度だけ」というモチーフは色々あり、どれもきれいなものばかりですが、その中でもKinki Kidsの『スワンソング…

天童よしみ「美しい昔」考察〜世界のために命を捧げる「英雄」の恋人は幸せか?〜

世界を救うために命を捧げようと覚悟した男がいたとして、それを見送る恋人はどんな気持ちなのだろう? 小さい頃、12時まで起きていようと何度も目を擦りながら見ていた紅白歌合戦。 そこで流れて未だに忘れられない曲があります。 それが天童よしみさんの歌…

大塚愛プラネタリウム考察~「泣かないよ」と「泣きたいよ」に表れる主人公の本音を読む~

ここ最近、「大塚愛さんと見立ての系譜」というテーマで大塚愛さんの曲ばかりを聞いていました。本当は『さくらんぼ』『PEACH』『CHU-LIP』辺りを題材に大塚愛の「見立て」のクセについてまとめていこうと思ったのですが、掘れば掘るほど分析する視点が多く…

ミスチル「未来」考察~ヒッチハイクする車のメタファーを探る~

ミスチルの桜井さんの書く歌詞について、その韻の踏み方の凄さに注目して語られる記事をよく見かけます。「ダーリン ダーリン」「半信半疑」「カレンダーに」(しるし)、「最高のGIFTを」「渡すとき時ふと」「胸に聞くと」(GIFT)をはじめ、確かに面白いな…

aiko「カブトムシ」考察~語感で語りかける歌詞の構成とカブトムシを選んだワケ~

センター試験に代わって2020年度から始まる「大学入学共通テスト」。今年の夏に国語の例題が発表されました。そこで例題として出題されていたのは和歌の鑑賞文。その和歌が「視覚情報」であるのか、「触覚情報」であるのかというような内容でした。 この文章…

RADWIMPS「おしゃかしゃま」考察~仏教的・キリスト教的世界観を「解く」~

ここ最近、宗教にハマっています 笑といってもヤバイ感じの意味ではなく、純粋に物語として興味を持ったという意味です。神教、キリスト教、仏教、イスラム教etc..と好奇心の赴くままに本を読み漁っているのですが、そんな中でふとRADWIMPSの『おしゃかしゃ…

宇多田ヒカル「花束を君に」考察〜「花束を贈る」という行為に込められた想いを読み解く〜

高校生の頃、エリック・クラプトンの『Tears in heaven』を効いて以来、この曲は僕のお気に入りになりました。 もともと好きだったベートーヴェンの『ソナタ悲愴(第2楽章)』と似た空気を感じたのです。 後になって、そのころの僕には分からなかった音楽理論…

倉木麻衣『渡月橋~君 想ふ~』考察~「想う」と「思う」の使い分けと本歌取りの意図を読む~

千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは (在原業平) さまざまなことが起こったという神の世界でもそんなことは聞いたこともありません、まるで唐紅のくくり染めに見えるほどに紅葉が竜田川を真っ赤に染め上げるだなんて。 百人一首の中…

旅人の追いかける「蝶」は何を表しているのか?ポルノグラフィティ「アゲハ蝶」考察

基本的に同じアーティストはあまり繰り返さないと決めているのですが、ポルノグラフィティは昔からファンだったこともあり、以前取り上げた(「ハネウマライダー」考察〜20代後半でもう一度聴きたい、ハネウマライダーの人生論 - 新・薄口コラム)で満足できず…

Every Little Thing「Time goes by」考察〜歌い手の変化で徐々に進化している曲〜

僕がEvery Little Thingの曲初めて聞いたのは小学生のとき。 父親が好きだったことがきっかけでした。 最近になってとあるきっかけでELTの曲を再び聞くようになって、改めて面白いアーティストだなと思うようになりました。 僕が1番好きな曲はTime goes byで…

鬼束ちひろ「私とワルツを」考察〜とても深い女性の優しさを描き切った歌〜

あるときから突然風貌が変わったり、Twitterで「和田アキ子死ね」のような奇声を発して度々話題になる鬼束ちひろさん。僕は風貌や声質が変わる前からずっと、当然変わったあともファンとして追いかけています。ただ、個人的に歌として隙なのはやっぱり初期の…

母への想いを託した曲~宇多田ヒカル「真夏の通り雨」考察~

宇多田ヒカルさんが活動再開後に最初に発表したシングル曲の「真夏の通り雨」。僕にとってこの曲は、彼女の楽曲の中で最も印象に残っている作品です。「真夏の通り雨」を披露するため、NEWS ZEROに登場した宇多田ヒカルさん。彼女の髪型が母親の藤圭子さんに…

aiko「瞳」考察〜主語はだれ?生まれてくる子供に向けた母の慈愛を描いた歌〜.

ずっと書きたかったのだけれど書けなかったaikoさんの「瞳」という曲の考察。 どうしてもある一箇所の解釈ができず、文章にまとめることができないままでいました。 先日ちょうど永井荷風の「濹東綺譚」を読んでいて、すっと腑に落ちる解釈が浮かんだので、…

ゴダイゴ銀河鉄道999考察~英語詩と日本語詩の対比から見る映画のその続き~

最近ゴダイゴさんの代表曲、「銀河鉄道999」にハマっています。僕が生まれるよりもずっと昔の曲ですが、平成生まれの僕が30年以上経ったいま聞いても、名曲だなと思います。何より、あれほど映画のシーンにマッチした曲はそうそうないと思うのです。Aメ…

「ハネウマライダー」考察〜20代後半でもう一度聴きたい、ハネウマライダーの人生論

僕が高校生のとき、音楽が好きになったきっかけの曲がハネウマライダーでした。 この曲がきっかけでポルノグラフィティにどっぷりハマり、そこから音楽が好きになったのを覚えています。 当時は単純にカッコイイ曲だなぁ、くらいに思っていたハネウマライダ…

最近のJ-POPが僕らに刺さらない理由を冷静に考えた

個人的に今興味のあるものの一つに、「LINE以後の恋愛の歌」があります。ここ最近のJ-POPのヒットチャートを見るとジャニーズにEXILE系グループ、AKBグループ等々、アイドル系のグループばかりが目立ちます。そんな現状から、よく最近のJ-POPにはいい曲が…

ドリカム歌詞考察〜NOCTUNE001からねぇまでの吉田美和さんの立ち直りの跡〜

<大人のほうが恋は切ない はじめから叶わないことのほうが多い 〜 クリスマスが急に嫌いになる>僕がドリカムを好きになるきっかけになった「もしも雪なら」という曲のサビです。<今まで大人のつもりでいた この恋をするまでは どうにもならないこんな思い…

Mr.Children「しるし」考察〜とんでもなく深い!桜井さんが込めた冒頭2行のインパクト

志田未来さんが主人公だったドラマ「14歳の母」の主題歌であったMr.Childrenの「しるし」という曲。 当時ボーカルの桜井さんが、「失恋の曲とも初恋の曲ともとれるような、色んな見え方のする曲にしました。」とインタビューで答えていたのを覚えています。 …

BUMP OF CHICKENの藤原さんって、すごい自己否定の人生だったのだと思う。

BUMP OF CHICKENさんの曲って、個人的にすごく心に突き刺さります。とくに自分の「弱さ」や「強がり」を描いた歌なんかがそう。なんでここまで人の隠したい気持ちが書けるんだって思うことがしばしばあります。たとえば「ハンマーソングと痛みの塔」に描かれ…

宇宙飛行士への手紙考察

朝起きたら、BUMP OF CHICKENの「宇宙飛行士への手紙」という曲が頭の中で流れていました。で、久しぶりに聞いてみて、改めて面白い歌詞だなあと思いました。ー踵が2つ煉瓦の道 雨と晴れの隙間で歌った 匂いもカラーで思い出せる 今が未来だった時のことー1…

布袋寅泰考察〜モーツァルト的、古典的。〜

先ほど偶然テレビを点けたらやっていた、布袋寅泰さんの音楽解説。 しかも解説者はベーシストの亀田誠治さん。 大好きな二者の組み合わせだったので思わずのめり込んでしまいました。。 その番組を見ていて、ふと布袋さんの曲って非常にモーツァルト的だなっ…

椎名林檎さんのNIPPONは選手目書かれた曲

全くスポーツに興味がない僕でしたが、ワールドカップ主題歌に選ばれた、椎名林檎さんの「NIPPON」には何かと興味を持っていました。特攻をイメージさせるだとか、反対に清々しい曲だとか、賛否があったようですが、捉え方は受け手の自由(それはもちろん違う…

「眼鏡越しの空」考察

-大嫌いだったメガネはずせないこの何日も "気を隠す"にも"ちゃんと見る"にも都合がいい- ただの「嫌い」ではなく「大嫌いだった」という言葉から、主人公にとってメガネをかけているというのが、大きなコンプレックスであったという事が分かります。 嫌で嫌…