新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



ゆとり世代の取扱説明書②若者が会社に1番求めていないことが「繋がり」だと思う

ゆとり世代と呼ばれる僕たち今の20代。
高校や大学の同級生と一緒にご飯に行くたびに、いろいろな「ホンネ」を耳にします。
そして、それらは極めて的を得ていることばかり。
少なくとも、同世代の僕には当たり前に理解できる感覚です。
しかし、僕たちにとっての当たり前は、往々にして上の世代の人々の考える当たり前とは異なるみたいです。
だから、僕たちにとってオジサンは「ウザい」となるし、年上の人たちにとっては「若者は分からない」となるのだと思います。
そんな食い違いを、先日友達と飲んでいたときにも感じました。

僕は年上の人と飲みに行くのが(というより単純に人と飲むのが好きなだけですが)好きで、年上の人のお話を聞く事があります。
言葉やニュアンスに違いはあれど、よく聞くのは「若者が分からない」ということです。
「へぇ」と思って聞いている中でいつも感じるのは、年上の人の思いや考え方には侮蔑的なニュアンスは一切なく、若い僕たちの世代に頑張ってほしいという真摯な態度です。
表情や声色から、侮蔑的な意味で「若者が分からない」といっているのではないことくらい重々伝わってきます。
ただ、それと同時に強く感じることは、「根本的に考え方が違うんだな」ということです。

その最たる例が、会社に求める物の違いです。
あくまでこれは、僕が会ったことのある年上の「オジサン」に感じた共通項で、全員に通じるものではないとは思いますが、僕が知っている年上の方々に関しては、会社に求めるものの1番にあるのが「繋がり」なように感じます。
言い方や切り口は違うけれど、彼らの話を聞いていると、根本的には会社を通じた繋がりに対する欲求があるように感じるのです。
飲みに行ってコミュニケーションを取りたいというのも、休日にゴルフに行くのも根本は同じ。
日々一緒に戦っている仲間との「繋がり」を求めているように見えます。
一方で、僕たち若者が1番会社に求めていないのが、そうした「繋がり」です。
これは職種や業界を問わず、だいたい当てはまっているように思います。
僕たちの世代は学生時代からsnsが普及していて、常に昔の仲のいい友達と繋がっていることができる。
だから、新たに仕事で繋がった関係に寄り付かなくても、十分に多くのコミュニティに属している状態です。
むしろ、多くのコミュニティに属し過ぎていて、これ以上増やせないというのが正しいかもしれません。

仕事関係での繋がり以外にコミュニティを持っていなければ、必然的にそこでの人間関係を深めることで繋がりを持とうとするはずです。
これが、僕たちの上司に値する人たちの「当たり前」です。
それに対して、常に旧友と繋がり、いつでも連絡が取れる僕たちにとっては、繋がりは節目節目で更新されるものではなく、ずっと繋がって行くものです。
そうなると必然的に、長い期間を一緒に過ごした高校や大学時代の友達との関係が多くなるのです。
新たに繋がりを作らなければならない年上の世代と、一度築いた関係が生涯切り離せない僕たちの世代。
「繋がり」の価値がまるで違うため、それに対するアプローチが全く違うのも道理です。
若い世代にとって、新たなステージに入ったからといって繋がりを作らなければならない差し迫った必要性がないばかりでなく、そもそも既存の繋がりでいっぱいいっぱいになっています。
そんな人に対して自分の感覚で年上の人がコミュニティを作ろうと熱弁したところで、全く響かないのです。

僕たちの世代はデフォルトで繋がりを持っているから、会社に繋がりを求めない。
若者が1番会社に期待していないのが、会社での繋がりです。
そんなものわざわざ作らなくても既に持っているから。
これが、「会社で繋がりを持とうとする」オジサンたちとの最大の違いであるように思います。
会社以外の場で、強い繋がりを持っていない上司にとってみたら、職場での飲み会や休日のイベントに参加したがらない若者は理解できないかもしれません。
彼らにとっては「唯一の繋がりであるオレらとの関係を断って、あいつは孤立している」と見えるからです。
でも、会社は複数あるコミュニティのうちの一つである若者にとってはそこでいろいろ我慢して人間関係を構築する必要がそもそもないのです。
嫌なら「会社は会社」と割り切って、人との繋がりは別のところにも求めることができるからです。
この視点から僕ら世代の話を聞くと、行動に納得できるところがでてくるはず。
会社が最大のコミュニティである年上世代の価値観と、会社は複数所属するコミュニティの一つに過ぎないという価値観の差が、「若者が分からない」という嘆きの根本にあるように思います。


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