新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



Aal Izz well〜きっと、うまくいくとカイジの思考法における類似点

先日知り合いの方からご紹介頂いた、「Aal Izz well〜きっと、うまくいく」という映画を見ました。
この映画の感想自体は書くととても長くなってしまうので、また今度にするとして、同時に久しぶりに賭博黙示録カイジを読んでいて、個人的にこの二つの作品は似ているなあと感じました。
一流大学の教育に疑問を持った主人公が自らの行動で周囲の人間の考え方を変えていく、「Aal Izz well〜きっと、うまくいく」。
借金を背負った身で命を掛けたギャンブルに挑み未来を切り開くカイジ
書かれている内容も扱うテーマも全く異なりますが、僕は両者に妙な共通性を感じました。

僕がこの2つの作品に感じた共通性は、先入観に流されない主人公の姿勢と、理不尽を受け入れる主人公の考え方です。
この2つの作品の主人公は、徹底して「事実」だけを見ています。
「普通に考えたら」とか「あの人が言うのだから」といった、わけを考えずに事象に納得するということは絶対にありません。
Aal Izz wellのランチョーは、周囲が理不尽と思いつつも受け入れてきたことには当たり前のようにNOをつきつけ、黙って聞いていた話に疑問符を投げます。
ここで徹底されるのが、常に事実を追い、自分の頭で考える姿勢です。
カイジも同様に、一貫して「事実」のみに忠実です。
勝負内容こそギャンブルですが、そこで勝つための戦略は、先入観を捨てて常に事実と向き合って導いた確かな戦略。
問題にぶつかるたびに、徹底して頭で考え、勝てる方法を紡ぎます。
この、「困難に対峙したときにノイズに惑わされない思考」が、両者には共通しているように感じました。

もうひとつの共通性が、2つの作品の主人公が理不尽に文句を言わないということです。
“理不尽な事が世の中にあるのは当たり前” 、”それを恨んだり諦めているヒマがあったら…”“楽しんで理不尽と戦おう”
暗殺教育の最終巻に出てくる台詞です。
Aal Izz wellとカイジが似ていると感じたもうひとつのポイントは、この「楽しんで理不尽と戦う」というような主人公の問題に対する向き合い方です。
どちらの主人公も、幾度となく理不尽な壁にぶつかります。
その度に周りはその現状に文句をいうのですが、この2作品の中で主人公だけが置かれた状況に文句を言いません。
むしろ置かれた状況を利用して、どうやって逆転するかを常に考える。
明らかに理不尽と思えることにぶつかっても、ランチョーは文句を言わず、状況を上手く使ったその場の機転で乗り越えます。
同様にカイジも現状の過酷さに悲観するのではなく、敷かれたルールを使ってどう勝ちを掴むかを考えていきます。
この考え方を見て、2つの作品の主人公が似ているなと感じました。

同じ思想を持った主人公でありながら2作品のアプローチは間逆です。
王道から自分の頭で考えることと理不尽への向かい方を書いたAal Izz well〜きっと、うまくと、邪道(「王道に対する」という意味で)からその2つを描いたカイジ
先入観にとらわれないこととルールを利用するということは好き嫌いが分かれるかもしれませんが、僕は大好きな考え方です。
そして、この2作品はどちらも、そういう思考法の主人公が出てくる物語。
僕はコンテンツを楽しむときに、特定の登場人物にライドすることはあまりないのですが、これらの作品に関しては久しぶりに主人公にライドしてしまいました。
ストーリーに共感して一方の作品だけみたことがあるという人にはオススメできませんが、主人公の思考方法に惹きつけられたという人には是非2作ともを見て欲しいなと思う作品です。