24.辺と旁
文字にはその一つ一つに物語がある。
例えばアルファベットの先頭を飾る「A」はひっくり返すと牛の頭を表している。
古来より牛は酪農、移動手段をはじめ様々な恩恵をもたらす事から、裕福さの象徴であった。
そこからアルファベットの先頭を飾るにふさわしいとされ「A」が生まれたと言われている。
漢字はとりわけ物語性を帯びている。
元々の成り立ちは言うまでもないが、辺と旁(つくり)に分解する事により、そこから新たな物語が生みだされる。
某大手予備校の先生が生徒への激励のためにこんな話をしていた。
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みんな、「涙」という字を思い出してくれないか。
涙の旁は「大きい」っていう字と「戸(とびら)」っていう字でできているんだ。
みんなは夢を持っているか?
その夢が大きければ大きいほど、それを叶えるトビラは僕たちの前に厳しく立ちはだかる。
それを開けるのは簡単じゃないんだ。
その分トビラを開けられたときの感動は言葉にできない物になる。
そんな時にはじめてうれし涙は出てくるんだ。
・・・でも、
もしかしたら夢が叶わずトビラが開かない時があるかもしれない。
そんな時は落ち込んでしまうだろう。
悔し涙が止まらないかもしれない。
その時は思い切り泣いていいんだよ。
だってその「涙」は君が「大」きな「戸」を開けようと頑張った証なんだから。
これから君たちは何度も挫折を経験するかもしれない。
でもそんな時は今日のこの涙を思い出して欲しいんだ。
そうすればどんな困難も乗り越えて行ける。
君たちの輝かしい未来をこれからも応援しています。
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本当に綺麗な物語を作ったと思う。
不意にこんな言葉を思い出して、頑張らなければという気持ちになった。