新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



8.裏と表

出典を忘れてしまったのが恥ずかしいが星を使ったこんな例え話を思い出した。

「空を見てみろよ。星たちが自分の方が綺麗だと競うように輝いている。」

そう男が言うと女はこう返した。

「私には運命に縛り付けられて動く事もできない事が悔しくて、必死に運命
に抗っている人間に見える。」

どちらも同じ物を見ているのにそこから受けた印象が真逆である事が面白い。

引用元が分からない文章では説得力に欠ける気がしてならないのでもう一つ。
こちらは古典からの引用。

江戸時代の国文学者、中島広足の「うつせ貝」から二首引っ張ることにする。

荒磯の波にたゆたふうつせ貝いもせそなふる時もありけり

そなへぬるいもせもいかが頼むべき空しと聞きし浦の磯貝

兼ねてからの願いであった駆け落ちに成功して二人の将来を楽しみに思う男と、男と一緒になる事を望んでいたものの、これからの生活に不安を覚える女の詠んだ詩だ。

簡単に現代語にするとそれぞれ
荒磯の波に揺れて漂う貝殻が離れ離れにならずに二枚揃っている事がある様に、困難な状況に翻弄された愛し合う男女が一緒にいられる時があるとはなぁ

揃っている二枚の貝殻でも中身がないと聞いた浦の磯貝です。そのように愛し合う二人も、どうして先の事まで頼りにできるでしょうか、いやできません。男女の仲は虚しいものだと聞きました。

といった感じだろう。

同じ物でも捉え方でいかようにも表現できる。



情報に向き合う時は、こうした事を特に意識しておかなければならない。

とかく最近の人達はテレビなどで与えられた報道を
丸呑みしているように思えてならない。

近年スマホやインターネットの普及で、一層メディアリテラシーという言葉が叫ばれているが、どんなネットの作法よりも、報道には無意識のうちに主観が含まれる恐れがあるという事を、まずは伝えるべきだと思う。

TPPに対する報道を見ていてふいにそんなことが頭に浮かんだ。