さっきニュースサイトで女子高生起業家の椎木里佳さんのLINEに関するインタビューをみて、LINEスタンプの今後取れる戦略について考えてみました。
椎木さん曰く、多くの高校生が有料のスタンプは使わないとのこと。
意外って一瞬おもったんですけど、よく考えたらその通りだなぁって感じました。
スタンプの価格の標準は200円くらい。
この200円って僕らからみたらコーヒー一杯分程度の値段という感覚ですが、月のお小遣いが5000円~10000円くらい(?)の高校生にとっては決して安い物ではないと思うんですよね。
あと何よりクレカ登録とか親の許可が必要だから、自由に購入っていうのも難しい。
年齢毎に感じるお金に対する値段の感覚の違いや購入の際の障壁があるんですよね。
そうすると中々スタンプを購入するっていう動作に繋がらないんだほうなって納得しました。
もう一つ思ったのは、LINEスタンプの性質が高校生のスタンプ購入意欲に結びつかないんじゃないかってこと。
LINEスタンプの最大の戦略は、コミュニケーションの補佐にポイントをおいた点にあります。
喜怒哀楽をひとつのモチーフでセットにすることでLINEスタンプは爆発的な人気を得ています。
だから、気に入ったスタンプをひとつ買うだけですごく幅広くコミュニケーションを補助することができる。
文字だけでは伝わらない感情の機微が、予めテンプレートで用意されているスタンプで補うことができる。
こういう点がユーザーにウケたからこそ、こんなにスタンプが流行っているのだと思います。
つまりスタンプは、メールでいう所の顔文字や絵文字の機能として我々に使われているわけです。
一方、女子高生がケータイメッセージに求めたりするのはコミュニケーションの補完機能ではなく、オシャレさや可愛らしさといった、自分のファッションの一部になるような機能なように思います。
実際に僕も塾で生徒さんのスマホを見る機会があるのですが、子供たちはスマホケースを頻繁に替えています。
それはちょうどスマホがファッションの一部であることを示しているんじゃないでしょうか。
つまり、子どもたちにとってスマホの役割は人との連絡手段ではなく、もっと身近なアクセサリーのような物であるということです。
学校が生活の大部分を占める中高生にとって、コミュニケーションの中心は学校にあります。
だからわざわざスマホでのコミュニケーションで工夫をしなくたって、リアルでの繋がりが強いからあまり関係がない。
一方で大学生以上になると急激にコミュニティが広がり、一人一人とのコミュニケーションに割ける時間が低くなります。
そのため、身近いやり取りのなかで、自分らしさを伝えなければならないんです。
だからコミュニケーションでオリジナリティを出せるLINEスタンプが流行した。
この、成人にとって普及のポイントになった強みは、中高生に対してはあまり有用性を持たないのだとおもいます。
じゃあ中高生が魅力に感じることは何か?
それが先ほど書いたオシャレ・カワイイや面白いっていう所にあると僕は考えました。
面白さや可愛さを全面に押し出した戦略のスタンプを作れば、中高生にも必ずヒットすると思うんです。
で、そのモデルとなるのがデコメール。
あれの普及した理由は使用者のセンスを相手に伝えることを中心に考えられている所にあったような気がします。
ちょうどケータイのデコメのような、ちょこちょこと絵が動くスタンプを作ったらヒットするのではないかというのが僕の考え。
デコメに関しては目標はコミュニケーションではありません。
そのためわざわざ6セットとか喜怒哀楽を表すスタンプを作る必要がありません。
カワイイのが一個ずつ単品販売されていればそれで充分。
その代わりスタンプを一個50円とかにすればきっと流行ると思うんですよね。
動くスタンプ、「デコスタ」とか「デコトーク」とかって名前にして。。。
カワイイがひとつ、キーワードな気がします。