新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



マンガ読解法号外ONE PIECE考察②〜ドフラミンゴの首が飛んだ伏線の意味〜

※注意 今週号のジャンプの話題についてのエントリです。
ネタバレ含みます。単行本派の方、まだジャンプを読んでいない方はお気をつけ下さい。


基本的に一つのマンガについて2度触れる気はあまりなかったのですが、ちょっと展開が面白かったので、ONE PIECEについてもう一度だけ書くことにしました。
テーマは743話のドフラミンゴの首が飛んだ事について。


今週号のジャンプで1番衝撃的だったシーンは、間違えなくキュロスがオモチャから戻りドフラミンゴの首を切ったこの場面だと思います。
徹夜明けでジャンプを読んでいた僕は、思わず「マジか!?」って言ってしまいました(笑)


と同時に、まあでもあのくらいで死ぬわけないよねって思ったのが正直なところ。
あそこまで伏線張って温めてきたキャラクターを、あれで終わらせるなんてことは考えられません。
そうなると何らかの能力でドフラミンゴは首を切られても生きていることになる。
その辺について、いろいろと考察しようと思います。



ONE PIECEは理屈がしっかりしたマンガー
僕はONE PIECEって、非常に理屈がしっかりとしたマンガだと思います。
多分それは尾田栄一郎さんが、しっかりとキャラ設定や話の展開を組み立てているから。
だから話の中で不自然なこじつけや、後から付け足したような無理な設定って殆ど出てこないんですよね。
例えば覇気って能力に関しては一話のシャンクスが出た時から使っていたり、バギーの能力で地に足が付いていなければいけないとかバラバラにしたパーツの飛行範囲が決まっていたりとか。
ブルックの魂が身体に戻るっていうのはキリスト教的な死生観に基づいたもの。
ココヤシ村の話にせよドラム王国にせよ、かなり緻密に組み立てられています。
少なくとも、後付けのような設定で乗り切るというようなことは、僕の知る限りではありませんでした。
ということは、今回のドフラミンゴの首が飛んだのも、極めて筋が通った組み立てで話が進むのではないかと考えています。



ー首が飛んだのはローの能力ー
ネットでドフラミンゴと検索すると、やっぱり首が飛んだということが話題になっていました。
それだけ衝撃が大きかったのだと思います。
いろんなサイトをみていて共通していたのは「ドフラミンゴ死んでないやろ」って意見(笑)
やっぱり考えることは同じなんですね。。

ドフラミンゴが死んでいないと考える根拠として挙げられていた代表的なものを幾つかピックアップしてみます。
・切り口から血が出ていない
・ここまで引っ張った大物があんなにあっさり死ぬはずがない
・尾田さんの十八番「どんっ」が書かれていない
・本当にあれで死んでいるなら、残酷描写として自主規制がかかるはず
などなど、、、

僕も似たような理由で、ドフラミンゴは死んでないと思っています。
では、死んでないならばどうやって生きていたのか。
いろいろな推測が出ていましたが、僕はやはりローの能力で生きていたと考えるのが妥当だと思います。


ードフラミンゴに飛んだ首をくっつける力はないー
ネットを見ていて、ドフラミンゴがどうやって復活するかというアイデアで多かったのは下の4つ。
1.ハンターハンターのマチやNARUTOの角都みたいに糸で縫合
2.実はイトイトの実はフェイクでドフラミンゴはロギア系能力者
3.黒ひげと動揺に2つの悪魔の実を食べている
4.ローの能力で助かった

どれもありそうだとは思ったのですが、やはり僕は4の可能性が1番大きいと思います。
先にも書いた通り、ONE PIECEは非常に論理的に組み立てられています。
だから、後から筆者を裏切るような付け足した描写や、有る意味反則になるようなことはしないと思うんです。
そう考えると、妥当なのはローの能力でドフラミンゴを助けたっていうアイデアなのかなって思います。


ーなぜローが憎んでいるドフラミンゴを助けたか?ー
そうなってくると、気になるのは「なぜ殺したい程恨んでいたはずのドフラミンゴを、ローは助けたのか」ということ。
これまでの描写からわかる通り、ローはドフラミンゴに対してただならぬ恨みを抱えています。
そんな相手が殺される千載一遇のチャンスで、わざわざ助ける理由は何なのか?
その辺を考えなければいけません。
僕がパッと考えられたのは、以下の三通りぬらいです
・ドフラミンゴのイトイトの実で操られて能力を使った
・何らかの形で脅迫されていて、ローはドフラミンゴを助けた
・ドフラミンゴを潰したいが、今死なれるのは困るためローがドフラミンゴを助けた


ここらあたりが、ローがドフラミンゴを助ける理由になり得るのかなって思います。
ひとつひとつ可能性を掘り下げてみます。
まず一つ目の「ドフラミンゴに操られて能力を使った」説です。
初めはこの線が妥当と思ったのですが、よく考えたら不可能だと気づきました。
今までドフラミンゴは何人もの人をイトイトの能力で操っていましたが、どれも肉体を動かされただけで、意識は残っていました。
ということは自分の意思によって発動する能力までをイトイトの力で操ることはできないと考えられます。
したがって、一つ目の線は消えたと考えました。

2つ目、ローが脅迫されていたという可能性。
ドフラミンゴにお前が俺のため能力を使えば、麦わらを助けてやるといった脅迫をされていたパターンです。
これもありそうだとは思ったのですが、やはりよく考えたらちょっと不自然。
ローの目的はドフラミンゴを倒すこと。
そのために計画をたて、あの地位に立ったはずです。
それをルフィたちのために諦めるとは考えにくい。
同時にドフラミンゴがここで倒れれば、脅迫されていたとしても無に帰すわけなので、ここでドフラミンゴを助ける必然性はないわけです。
したがって二つ目のパターンも却下。
やはり、考えられるのはロー自らが助けたという筋書きでしょう。


ードフラミンゴを倒したいけれど今死なれては困るー
考えられるのは、ロー自らがドフラミンゴを助けたという筋書き。
では何故あそこまで憎んでいるドフラミンゴをトラファルガー・ローは助けたのか。
その理由は「今死なれては困るから」くらいしかないと思います。
当初ローが行おうとしていた計画は、ドフラミンゴを七武海から引き摺り下ろした上で、四皇の1人カイドウとぶつけることでした。
そのために壮大な計画を立てていた。
そこまでしなければドフラミンゴを倒しきれないという何かしらの理由があったと考えられます。
悪魔でもローにとって必要だったことは、スマイル工場の破壊と、シーザーの誘拐でした。
ローは常にそれを優先していました。
実際にドフラミンゴと戦ったときも、ローはあくまで麦わら一味を逃がすことを優先して、ドフラミンゴを倒そうとはしていません。
ここから考えられることは、ただドフラミンゴを殺したいのではなく、何らかの方法で倒さなければならないのではないかということ。
そのためには、ここでドフラミンゴに死なれては困る。
だからローは敢えてドフラミンゴを助けたのではないかと考えます。

ローのそうした企みを見抜いていたと考えれば、ドフラミンゴがローに海楼石の手錠をせずに、能力が使える状態にしていたとしても納得できます。
ドフラミンゴが死んだというのはあくまでフェイクで、不意打ちでキュロスがやられる。
それをみてルフィが戦う。
こんな感じが後のドレスローザ編のストーリーではないでしょうか。
今後の天竜人との対立を描くにも、ルフィがドフラミンゴを倒しておくのはいい伏線になるきがします。

ひとつ大きな山場となりそうなドレスローザ編。
これから盛り上がりそうなので、ますます楽しみです。


以前書いたONE PIECE考察です。
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