新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



モチベーションマネジメント①種蒔き型の学習〜

モチベーションという観点から学習方法を再定義する。
これ、僕が塾講師を始めたときから今まで自分のテーマとして掲げてきたトピックの一つだったりします。
もともと根性論が嫌いっていうことと、やらせる勉強の非効率性がどうしても気になっていたから。
学習方法に対して社会科学的にアプローチをかけ、経験則によらない(誰でも真似できる)勉強理論を構築するっていうのが、ひとつ僕の目標だったりします。
そんな観点から考えた学習方法を、少しずつ紹介したいと思います。


勉強っていうと基礎を完璧にして、それから身につけた基礎を組み合わせて応用問題に挑戦するっていうのが一般的です。
でも、必ずしも基礎→応用という順序が正しいとは限らない。
基礎を積んで応用をやるっていうのんは、その初めの段階でかなりの根気がいることなんですよね。
モチベーションという観点から見ると、凄くマイナスに働く勉強の仕方です。
勉強を嫌いになる最大の要因のひとつだと思います。
もちろん武道でもピアノでもきちっとした「型」が必要なのと同じように、勉強でも基礎をしっかり習得することは不可欠です。
でも、必ずしも一番初めに基礎から学ばなきゃいけないかっていったら、そんなこともないと思うんですよね。
部活動とかにのめり込むきっかけって、まずそのスポーツに触れてみることじゃないですか。
料理とかもまずはテキトーに作ってゴミみたいなのが生まれて悔しいからレシピを学ぶ。
楽器だって一緒で、こんな曲弾きたいって思って、真似した時に技術が必要だから練習する。
勉強だって同じだと思うんですよね。
人間の行動欲求は、必要と感じて初めて生まれるものです。
で、あるならば先に応用問題を提示して、基礎力を身につければこの問題がいつでも解けるっていうように学習の動機付けをしてあげるっていうのが、効果的な学習なはず。
そんな考えに基づいて、去年一年間数学の授業を組み立てていました。
結果的にはそこそこな効果が出せました(と僕が勝手に思っているだけかもしれませんが)。

具体的には、数学の入試問題を解く上で必要なフェーズを細かく分解するということと、各単元毎にコアとなる考え方を抽出するという事を行いました。
入試問題を解く上で必要な学習のフェーズをざっくりまとめるとこんな感じ(一応僕の商売道具なんで、要所要所端折ってます、、)
①道具を渡す(公式、計算方法の定着)
②使い方の伝授(計算の反復練習など)
③設計図の提示(応用問題の解き方を教える)
④作品の模倣(教えた問題の類題を練習)
⑤自分の作品を作る(未知の問題にふれる)

各単元のコアになる考え方っていうのんは、例えばコンパスを使った作図の問題であるなら、コンパスでできることがそもそも①角を二等分する②垂直二等分線を書く③等しい長さをはかるしかできない以上、全ての問題はこの3つの組み合わせからできているというように、各単元の思考プロセスを可視化することです。
ちょうど上の学習フェーズでいう③の所です。


実際の授業では、まず各単元毎の核となる考え方を1番最初にまとめてしまいます。
で、次に最初に提示した核となる考え方を使って応用問題を一緒に解いてみる。
次に、公式や知識は全て板書をみれば載っているように書いてしまい(覚えさせない)、それを使って問題を解かせる(応用問題です)。
こうすることで、「あとは公式や知識さえ身につければ、問題が解ける」状態まで持っていってしまいます。
子供達にとっても、あと公式を覚えれば実際に問題が解けるという状態なので、知識を頭に入れる動機付けが明確な状態になります。
勉強のフェーズを①→②→③と進めるのではなく、③→②→①と進めていくというやり方。
このやり方を実践したのは中学3年生の一通り各単元を学んでいる子たちだからできた指導法ではありますが、この方法にしてから、宿題の精度・密度は格段に上がった印象です。
何より、応用問題に対する抵抗感がまるでなくなった(1番初めがそこから入るから)のが、大きな収穫でした。

モチベーションに重点を置くのであれば、学習フェーズを③→②→①→④→⑤とするのが効果的だろうと思います。



って、酒飲み飲みながら数学の先生とラインで教え方について話してる内にテンション上がって記事にしちゃったけど、自分の手の内をなんでブログのネタにしてるんだろう?(笑)