新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



塾が先か、学校が先か。

先日全国学力テストの結果について考察しているニュースを目にしました。
内容は進学校に受からせる為の小さいうちからの塾での詰め込み型の教育は逆効果といったものです。
何でも県別の学力ランキングでTOP2だったのは、秋田と福井だったそう。
対して私立学校などへの受験競走が目立つ都市部は軒並み低い順位だったということです。
これをもって、受験受験と幼い頃から入試のテクニックを身につけさせるよりも、比較的解放的な環境で意欲をもって学ばせる方が効果的、塾での詰め込み教育が却って勉強を阻害しているという結論が出されていました。
僕個人としては、宿題で子供を雁字搦めにして、詰め込み型で教え込むスタイルの塾にはむちゃくちゃ反対なので、上の記事を書いた人の言い分に賛成したいところもあるのですが、因果関係の部分を見て、どうしても引っかかることがありました。

それは、「詰め込み型の私塾が、却って子供の学力を低下させている」という主張です。
これ、学力テストのデータだけじゃこんな因果関係言えなくないですか?
確かに学力の高低と私塾の多さ(受験に対するモチベーション)には相関関係はあります。
でも、それがなぜ[塾の増加→学力低下]となるのでしょうか。。。
可能性として逆方向の因果関係も十分考えられると思うんです。

[学力低下→私塾の増加]
たとえばこんな感じです。
福井や秋田といった、学力テスト上位県に比べて、都市部は人口が多く先生一人当たりの担当生徒の数が多い。
そのため公教育の教育水準に都市部とそうでない地域で大きく差が生じてしまった。
それを補う為に学校外での学習のニーズが高まり、私塾が増えた。
当然こういう可能性だってあるはずです。
その場合の結論は、「都市部は私塾のおかげで今の順位を保つことができている」といった感じでしょう。

データそのものには因果関係なんて存在していないんですよね。
ただAというデータがあってBというデータがある。
そこにデータの読み手が情報を付け加えているだけ。
いろんな主張を見た時に、常にその裏や逆、あるいは対偶なんかに意識を巡らせてみるっていう姿勢が大切なんじゃないかって思う今日このごろです。

「塾の詰め込み教育が学力を低下させた」
「人口増加に伴う学力格差を補う為に都心部では塾が増えた」
当然別の見方もできるかもしれません。

みなさんはどう判断しますか?