今回から本格的に助動詞の説明に踏み込んで参ります。
重視するのは「なぜその意味になるのか?」という一点です。
皆様もその点に意識を傾けて読んでいただけたら幸いです。
初めに取り扱う助動詞はwillにしようと思います。
中学英文法の中で最も初めに出会う助動詞であり、一番なじみが深いと思うからです。
[will]を使った表現というとどんなものが思い当たるでしょうか。
「未来」「依頼」「拒絶の意志」…
ぱっと見返しただけでもウンザリする用法が並んでいます。
これらの用法をまとめるために、まずは3つの用法の共通項を見つけていこうと思います。
代表的な例文を見てみましょう。
未来:I will play tennis tomorrow.(私は明日テニスをするつもりだ。)
依頼:Will you open the window?(窓を開けてもらえませんか?)
拒絶の意志:The door won’t open.(そのドアはどうしても開かない。)
これら3つを見て共通して使えるwillの訳を探していきます。
ちょっとだけ脱線になりますが、何か複数のものを理解するとき、それらを並べて共通項を探るという作業がとっても効果的です。
これは英語だけにとどまらないので、たくさんのものを同時におぼえなければならないときや、整理する必要があるときは「共通項を探る」という事を意識してみてください。
脱線終了♪
さて、3つの文章を見たときに、willを「意志」で訳せばいいのではないのかという事が漠然と頭に浮かんできます。
実際に3つを訳してみましょう。
一つ目のI will play tennis tomorrow.は「私は明日テニスをする意志がある。」となります。
同様に二つ目のWill you open the window?は「あなたは窓を開ける意志がありますか?」となり、最後のThe door won’t open.は「そのドアは開く意志がない。」という様な直訳が出来上がります。
さらに助動詞の基本イメージは「自分の気持ち」というお話を前回しましたが、意志ならば自分の中にあるものなのでこの制約にも当てはまります。
こうした部分からwillの根本イメージは「意志」としてしまうのが適当だという事が出来るでしょう。
willの用法をまとめるとこんな感じになります。
「willの基本イメージは意志」
①自分の意志でこれからのことを類推するから「未来」
②相手に頼みごとを引き受けてくれる意志があるかどうか尋ねるから「依頼」
③もの(=主語)に「Vする意志がない」を言い換えて「どうしても○○しない」という「拒絶の意志」
こんな風に説明すれば全部分解可能ですよね。
今回はちょうどキリがいいのでwillの説明で終了しておこうと思います。
次回は「may」のお話です。
本日もありがとうございました。
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