新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



ヤンキーの水平展開×オタクの垂直展開

最近ヤンキー論、オタク論に興味があります。
斎藤環さんや勝谷誠彦さんが言っている、現代の日本人はヤンキーとオタクの二種類に分けられるという考え方。

直感的、自分の経験や感動体験が行動原則になり、地元の仲間を大切にするような人たちが「ヤンキー」種族。
半径3キロ以内で生きている人たちのこと。
それに対して、自分が興味を持った分野に関してどんどん掘り下げる、行動原理はあくまで知的好奇心、家族や地縁など身近な繋がりではなく同じ趣味を持った人たちとの関係を重要視する人が「オタク」種族。

この区別でみてみると、今はかなりヤンキー層が増えているように思います。
結婚推奨、家庭を大事に、地方分権etc...
少なくとも政治はそちらの方にシフトしていると考えていいでしょう。
ヤンキー層は身近な人々と一緒に盛り上がることができるものを好みます。
ここ十年でフィギュアやバレー、卓球などの世界大会がテレビで人気を集めているのは、これらのイベントが身近な人々と「一緒」に「感動」することにピッタリだからです。
反対に野球のナイターやJリーグの試合などの中継が減ってきている。
同じスポーツなのに世界大会は注目され、ナイターなどは減ってきている原因はこの「一緒」に「感動」できるか否かにあると思います。


ナイターやJリーグの試合は、同じチームを応援している人どうしが集まって盛り上がるコンテンツ。
つまり、趣味を掘り下げ共通の話題で盛り上がることを好むオタク的な傾向を持つ人々に好まれる性質を持っているといえます。
こうした共通の趣味を持つ人たちが楽しむスポーツ番組が減り、代わりにその場の空気を共有できるものが増えてきたということが、ヤンキー的な文化に日本全体が進んでいることの現れであると考えられます。


ヤンキー層はダチやツレ(家族や地縁)を大事にするため、同世代の間での繋がりが強い。
つまり、ヤンキー文化は水平展開しやすいと考えられます。
同年代に同じ地区で育った中学校の繋がりを大切にする。
こうしたヤンキー層の水平展開する繋がりが増えてくると、オタク的な性質を持つ人たちはどうなっていくのか。
恐らく世代毎のオタク層というのはどんどん少なくなっていくと思います。
その後横の繋がりがほぼなくなると、年齢を超えたつながりを求めるようになっていく。
いわばヤンキー文化の水平展開に対するオタク文化の垂直展開。
もともとオタクの性質的に世代を超えて共有されやすいものではあったと思うのですが、今まで少ないながらも同世代でコミュニティができていたため、世代を超えた繋がりはそれほど強いものではありませんでした。
しかし、ヤンキー層がますます増え同世代のオタク層が減っていってしまえば、今まで以上に縦の結びつきが強固なものになるはずです。

現在はオタク層がどんどん減っているという段階。
今後2020年のオリンピックに向かいますますヤンキー層の横の繋がりが拡大していく中でオタク層が縦の結びつきを求めるようになるのではないかっていうのが僕の見たてです。

まだまだ直感的な段階を抜けていないのですが、東京オリンピックに向けてヤンキー層の水平展開、オタク層の垂直展開が拡大していくような気がしています。
そして、オリンピックがヤンキー文化的なコンテンツであることを考えると、全体のキーワードは「自分の感動体験」と「身近な人々との感動の共有」になってくる。
そんな文脈でここ数年の日本の変化を追ってみると楽しくなるのではないかと思います。

まあヤンキーかオタクでいえば完全に後者である僕にとってはヤンキー文化に追いやられ垂直展開していくつながりをどう模索するかの方が興味があるわけですが(笑)