新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



岡田斗司夫さんのメルマガ

人生相談として、あまりに秀逸だと思ったので紹介させて下さい。



岡田斗司夫 FREEex mag2

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悩みのるつぼ「受験に4浪した人」への回答
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おはよう! 岡田斗司夫です。

昨日のメルマガ、覚えてますか?

「どうしても某大学に入りたくて4浪してしまった。もう自分はダメなのか?」という受験生からの相談でした。

「その通りだ」「短絡的になるな!」とツッコミたいのは山々(笑)。

でも、突っ込んじゃいけません。

なぜかというと・・・

そういう「普通の説教」は、もう飽きるほど本人は聞いているはず。

他人からだけでなく、ネットで同様の相談を見つけ、そのコメントに凹んだこともあるはずです。

だから、もっともっと「チカラ」のある答が必要です。

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相談「ある大学への偏愛で」

 岡田斗司夫先生にお願いします。

 22歳になります。○○大学(美術系)を目指している予備校生です。人生の可能性を提示してください。

  現役時に高望みしなければ大学で楽しい大学生活を送り、就職を迎えられたのにと後悔しています。
 自業自得なのでしょうか。
 中退者としてブラック企業に就職して死ぬまで惨めな思いで働くのでしょうか。

  中学の恩師に死ぬ間際、「お前は絵が得意だから○○大学に行けよ」と言われたのが始まりでした。
 高校では他の進路のことを考えずにいました

  現役はそこそこの所に受かったにも関わらず蹴り、一浪。
 しかし途中から自分の意思で進路を選んだのか、という迷いから予備校を休みだします。
 ○○大学には受からず、ある大学に引っかかり、両親の説得に応じ入学します。
  半年で○○大学に行きたかったという思いが強くなり、うつになり半年休学します。
 復学はしますが周りとのギャップに悩み、また半年休学しました。

  復学か退学かの選択を迫られ、中退のリスクを熟考せず大学を辞め、また○○大学を目指して予備校に通っています。

  つまり通算4浪目の大学中退者です。
 甘かったです。○○大学に行けなかったら大学中退で就職です。
 我慢して大学を出ておくべきだったと後悔しています。

 ○○大学に受かる確率も、非常に低いのです。
 他の進路に進む可能性として思いついたのは看護師と保育士です。
 あまり深く考えてないですが。

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今日はその回答編です。

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【回答】
 あなたに「普通の人生相談」は無意味。
 なので、以下は「普通でない人生相談」です。

 もしあなたが幸運にも志望校に入れても、けっきょくは思い悩んで、たぶん半年で辞めていたと思います。
 もしホワイトやブラック企業に入っても、やっぱり思い悩んで半年ぐらいで辞めてるんじゃないですか?

 あなたは「人生の修行中」なんですよ。
 いつも「思い悩んで」「やり直して」「いちばんしんどい道を選んで」しまう。

 そういう生き方は辛い?
 いいえ、あなたにはそれが似合っています。
 そんなに辛くないはず。

 辛いのは、人と比較して「こうすれば楽だったのに」と後悔するから。
 自分が選ばない・けっきょく選ぶはずの無い生き方をうらやましがっているのが辛いんですよ。

 みんなはエレベーターに乗っている。
 あなたは足腰を鍛えるために階段を登る。
 それだけの違いです。

 足腰を鍛えている、という目的を忘れ、鍛えてどうしたいのか、という夢を忘れちゃってるから、エレベーターに乗ってる人をうらやんでいるのでしょう。

 なぜあなたはエレベーターに乗らないのか? 楽をしないのか?
 自分のチカラで高い山に登りたいから。
 誰も届かない高みから下界を見下ろしたいから、のはずです。

 だからあなたはニセモノと縁を切って、本物だけを追い求めたんじゃ無いですか?
 その過程で苦しい事なんかわかり切ってたはずなのに。

 あなたの夢は、その志望校に入る事じゃないはず。
 その大学に入って「何をするのか」、でしょう?
 それがいま、まだわからないのは、あなたが「修行中」だからです。

 4浪?5浪?
 まだ足りません。
 10浪でも20浪でも覚悟してください。
 高い予備校に行かず、地力で納得できるまで続けてください。

 あなたの人生は、修行が終わったところからはじまります。
 いまはまだ苦しいでしょう。それでいいんです。

 楽してる人がうらやましいですか?
 とんでもない。
 私はあなたより楽な人生ですが、あなたの「未来」を、「可能性」を、うらやんでいます。

 だから、たくさんの応援と少しの嫉妬をこめて言わせてください。

「ムダな努力はあるけど、無駄な修行はない」

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いかがでしたか?

僕が彼の相談を読んだときに、思いついた言葉は「大器晩成型」です。

きっとこの人は、なにごとも遠回りしてしまうんだ。

そういう人は僕たちの周りにいます。

そういう人はみんな、この相談を見て「若い頃のオレにそっくりだ」と言うんです。

で、「まぁでも、なんとかなるよ。オレも大丈夫だったし」と笑って続けます。

若い頃は4年や5年の回り道で「人生、オワタ」とか考えてしまいます。

でも、35歳とか40歳超えたら、そんな回り道は「誤差の範囲内」なんですよ。

だから、本当は彼に「気にするなよ、大丈夫」と言ってあげるべき。

ところが、です。そんな回り道は誤差の範囲内、という断言は、やっぱり35歳超えた大人でないと腹の底から出てこないんですよね。

大人になったら、大丈夫。

でも、その理由は大人にならないとわからない。

このパラドックスに困った僕は、今回は「問答無用で励ます」を選びました。

僕は信じます。彼は大丈夫だと。

彼と同じく受験で3浪、4浪してる人も、就活で数年悩んでいる人も。

みんな、全員大丈夫!

そう信じます。

それが我々、「大人の役割」じゃないですか?

若者のその程度の迷い道、大丈夫にしてあげる社会を作りましょうよ。

悩み相談は「こうすれば良い」という言いっ放しだけじゃ済まないときもあります。

答えるこっちも「君はこうしなよ。僕はこうしたげるからさ」と責任を背負っちゃう場合もあるんですよ。

いや~、なかなか、「大人は辛いよ」ですね(笑)

じゃあ、また明日。バイバイ!