今テキトーなブラック企業対策をしとけば多分効果がでる
橘玲さんのブログにこんな記事がありました。
「ブラック企業問題は市場原理が解決する」
いつものことなのですが、橘玲さんの視点が非常に面白かったので紹介させて下さい。
その最悪の状況だったからこそ、働きても職がなく過酷な状況でも耐えていた。
現在は(アベノミクス等で景気が良くなっているというのではなく)当時と比較すれば、景気が元に戻りつつある。
そのため、必要以上に過酷な環境で働かされていた人たちが、そこで働く以外の選択肢を得られるようになった。
今ブラック企業問題が頻繁に語られるのは、今までくすぶっていた不満が出ているからであり、市場原理によってそうした企業で働く人々はこれから少しずつ他の仕事に転職していき、ブラック企業問題は少しずつ解消されるだろう。
とのこと。。
上記のリンクを読ん頂ければより分かりやすいと思いますが、ざっくり言えばこんな感じのお話です。
さて、ここからが僕の思ったこと。
僕は政治家の人たちが支持を得るために最も有効な戦略は、「別の理由で改善しつつある事象に最もらしい説明をつけること」であると考えています。
僕たちは確率論的な物の考え方や、目的論的な物の見方が非情に苦手。
偶然の産物に最もらしい理屈を求め、自分の行動の目的と原因を取り替えがちです。
とにかく分かりにくいことに分かりやすい説明をつけてくれると、僕たちは安心できるのです。
今安倍さんのアベノミクスが支持されているのも、僕は揺り戻しや資源の高騰・円安などの影響でもともと物価が上がったり景気が回復したであろうところに最もらしい説明をつけたおかげだと思っています。
ブラック企業問題についても「第○の矢」とか銘打って、最もらしい政策を今打っておけば、橘さんの言うように市場原理がブラック企業問題を解決してくれたものが、さも安倍さんの政策の成果であるようにみえると思うんですよね。
政治家さんたちは、それっぽい理由をつけていけばいいと思う(笑)
元も子もないこといっているように思われるかもしれませんが、そもそも僕はこれだけ複雑化した社会では政策が何か大きな成果が出るとは思っていません。
だから取り敢えずはどんな政権でもいい。
(個人的には安倍さんが退任した数年後、小泉さんみたいに振り返って悪い政治家だったと言われているような気がしますが...)
だったら確率や市場原理みたいな分かりにくいものにそれらしい理由をつけて実際に改善されて、それを政権の成果だと国民が喜べるのなら、誰も損しないと思うんですよね。
今もブラック企業対策をしていますが、あれをもっと分かりやすいコピーとそれらしい理屈を並べて前面に押し出したらいいんじゃないかなというのが、僕の考えです。
この辺の本に、因果関係で人は物事を捉えたがるということが書かれています。
あまりに正論すぎて、読んでて悲しくなりますが(笑)
「真実は僕らを元気付けてはくれない」
これらの本を読んだ僕の感想です。
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