新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



監督の作家性は、マンガ原作の方がよく表れる

マンガ原作のアニメを見る時、僕はよく本棚から原作の漫画を取り出してアニメに合わせてペラペラとめくりながら楽しんだりします。
そうやってみることで、アニメ監督が何を伝えたいのか、どんな演出をしようとしたのかがよくわかるような気がするからです。

この前ワンピースのエニエスロビー編をそうやって見ていたのですが、監督の個性がかなり出ていて面白かったです。
明らかに原作では無かった描写やマンガ上ではコマ数をそれほど割いていないのに、アニメ版ではかなりの釈をとっているという場面が幾つかありました。
ひとつはルフィが捕まったロビンに向けて「生きたいと言え!」と叫ぶシーン。
ワンピースの中の名シーンのひとつのこの場面ですが、アニメ版ではマンガに出てこないルフィが内面を語る心情描写が含まれています。
原作者の尾田栄一郎さんは原作では「ルフィはキャラの性格上、心の声を書かないようにしている」と言っているので、ここはアニメ監督が意図的に含めた演出です。
アニメ版では、単にロビンを助けたいだけでなく、そこに「シャンクスに助けられた時のように、今度は自分が仲間を助けたい」という心情が描かれます。
それをどう評価するかは原作派かアニメ派かで違うと思うので良し悪しもなにもないのですが、アニメ監督はルフィの仲間思いの性格の道義付けをしたかったのだと思います。

もうひとつ印象に残っているのが、護送船に連れていかれるロビンがスパンダムに抵抗するシーン。
アニメ版では石橋に噛み付いてまでロビンは護送船に乗せられないように抵抗します。
ここまでの生への執着(というより仲間の元に帰りたい気持ち?)は原作にはありませんでした。
やはりここもアニメ監督が重視したかったポイントなのかなと思います。

こんな風に見て行くと、アニメ版ワンピースは、原作よりも意図的に「泣き」のポイントが散りばめられているように見えます。
元々感動的なシーンは多いマンガですが、アニメ版ではさらにその点が強調されている。
多分エニエスロビー編の監督が描きたかったのが、そういった仲間との絆みたいな部分なんだと思います。
原作ファンの人にとってはルフィやロビンはそんなキャラじゃないと思うところもあるかもしれませんが、一方でアニメ版の方が泣けるという評価を下す人も多いと思います。

エニエスロビー編をみた僕の印象は登場人物の心理を描きたい監督なのだろうということと、「泣き」でしっかりと話をまとめるタイプの監督なのだろうというもの。
随所に細かな笑いも用意しているところも原作と異なる点です。

原作マンガと作品の異なる点を比較することで監督の特徴が見えてくる気がするので、比較対象しながら見るというのはオススメです。

監督の描きたいことが非常に色濃く出ていたのは、映画版ハンターハンター1、アイシールド21あたりだと思います。
ハンターもICも個人的にちょいろこつにメッセージを出しすぎた気がします。
見比べることでいろいろな気づきがあったりするので、オススメの鑑賞法です!