新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



日本画の論理展開とデザイン

京都の街はレイヤー構造の景観が身近に溢れている。
京都に住むようになって始めて気づいた事です。
京都駅の展望廊下から見た京都の街は碁盤の目を見下ろす形で並び、その奥には山々が重なるようにそびえています。
家の近くの桂川を望めば、幾重にも重なる山の景色がある。
市街地にいると無意識に遠近法的に景色を捉えがちになるのですが、京都に住んでいると、何層にも重なるレイヤー的なものの見方が自然と目に飛び込んできます。


ちょうど、日本画の様な感じです。
遠近法的な遠くの物は小さく、近くのものが大きくという見方ではなく、版画で奥から一層ずつ、空、山、民家、庭の植え込みというようにその距離感によって絵を重ねたような見え方がする瞬間がとても多く存在します。
景色をレイヤーで捉えるという見え方は、日本独自の見え方であると言えるでしょう。
言い換えれば日本文化独自の感性です。

日本の文化に根ざしたデザイン、それも表層的な「和」の空気ではなく、根底にある物を抽出したデザインを作ってみたいということを昔考えたことがあったので、ためしにレイヤー構造を取り込んだデザインを作ってみました。

やり方は以下の通り。
まず実際にある日本の風景写真をパソコンに取り込みます。
それをレイヤーごとに分解して、それぞれを抽象化したカラーで表す。
それを元の順番に重ね直して一つのデザインにするという方法です。


実際に作ったのが以下のデザイン。
まず、ベースとなる風景画を取り込みます。
f:id:kurumi10021002:20140912214310j:plain
今回は御岳山にしました。

これをイラストレーターに取り込み、15層のレイヤーに分解するとこんな感じになります。
f:id:kurumi10021002:20140912214458j:plain
色彩の先入観に囚われないために、あえて色合いをバラバラにして抽象化しました。
言って見ればこれが、御岳山の風景の骨組み。

今度はレイヤーをそれぞれデザインとなるように千代紙の柄に変更して、改めて重ね直します。
で、できたのが次の絵。
f:id:kurumi10021002:20140912214711j:plain
はじめは抽象的な柄の重ね合わせで作ったのですが、始めてで違和感がありすぎたため、和柄で作り直しました。
で、最終的にデザインぽくするために円形にトリミング。

f:id:kurumi10021002:20140912214947j:plain
御岳山を抽象化して作ったのが、こちらのデザインです。

当初頭の中で想像していたものほど新しさは出ませんでしたが、それは題材と色選びによるところも大きいのかなぁと勝手に言い訳(笑)

風景を抽象化してデザインにするという手法事態は、結構面白いのではないかと思っているので、他の風景を題材にして、これからも試してみようかと思います。
東京の町並みとかをレイヤーにして作ってみたら面白いような気がします。

今回は試験的にやってみたのですが、こんな感じでデザインを作る手法として実験的にやってみたいことが幾つかあるので、これからも定期的にやってみようかと思います。