新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



世界で3番目くらいにわかりやすいサンクコストの呪縛

始業ベルの音、授業開始の合図。
先生が教室に入ってきて、起立の掛け声とともに授業は始まった。
授業の教科書を取り出そうと机の引き出しを探っているときに、膀胱に妙な違和感を覚えた。
前の休み時間を回想する。
一気に飲んだ500ml缶のCCレモンを思い出す。

さっき飲んだ飲料が尿意になって僕を襲う。
僕は落ち着いて考えた。
授業を見計らって、タイミングよくトイレに向かおうと。。


宿題の答え合わせが始まる。
二次関数のおうよう応用問題だ。
一つ一つの解説には時間がかかる。
一問目の解説が終わったら手を挙げようと決めた。

「以上から、水槽の水がからになるのは10秒後。」
説明が終わる。
僕が手を上げる。
「はい佐藤」
先生が僕とは違う名前を呼ぶ。
斜め前の佐藤君だ。
僕よりわずかに先に手を挙げたらしい。
質問は数学について。
完全に機を逃した。

次の時こそと思い、ながいながい先生の説明を、僕は震えながら聴いた

口角はつり上がる。
周りの友達は先生のジョークに腹を抱えて笑っている。
僕はそれどころじゃない。
シャレにならないSOSが、下腹部から絶えず発せられる。
「次の解説の合間に、、、」
そう思ううちに、別の子が手を挙げた。
またチャンスを逃す。


時計の針は30分を指している。授業が始まって半分が過ぎた。いい加減、我慢も限界を迎えようとしている。「次こそは、、、」右手を机の上に置き、臨戦態勢を敷いた。

次の問題はまさかの先生による解説だった。また僕は発言の機を逃す。残り時間は15分に近づく。

「次こそは」そう思った瞬間、脳裏に別のビジョンが浮かび上がる。「ここまで我慢したなら、今更トイレに行きたいと叫ぶのは損ではないか?」。

僕はその囁きを吟味する。確かにその通りだ。40分近く我慢を続けた。残りは数分だ。膀胱のダムは決壊寸前だとしても、気合いでなんとかなる気配はないこともない。

仮にここで、観念して「トイレに行かせて下さい」と言おうものなら、今まで我慢した時間が無駄になる。ならばこのまま、残りの時間を漢の気合いで我慢で貫く方が良いのではないか?




以上が、「授業中トイレに行きたくなったけど、恥ずかしくて言い出せない男子生徒の心情」です(笑)おおよそ当たってませんか?

これはそのまま、経済学の「サンクコストの呪縛」という現象を表しています。サンクコストの呪縛とは、何かに対する進退を決めるとき、それに対する投資が大きすぎて、容易に撤退という選択肢は取れないという人間の行動原理を指した言葉。今回の例で言えば「ここまで我慢したのなら、今さらトイレに行きたいと申し出るなんて恥ずかしいし勿体無い」という考えです。パチンコで負けが続いたときに、なんとか逆転しなければと、さらにお金をつぎ込んでしまうのがちょうどこんな感じ。。

確実に悪くなると分かるのに、それにのめり込む人がいる。それを端的に示したのが、サンクコストの呪縛という考えだと思います。

「トイレ行きたかったのに半分過ぎたら挙手したら負けな気がする」。これが経済学でいうサンクコストの呪縛をものーーーすごくシンプルにした説明です(笑)


※このエントリは僕が酔って思いつきで書くものなので、一部に根拠の薄さや内容の不整合が見られるかもしれませんがご容赦願います。