新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



狂歌、川柳 時どき短歌

-唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ-

 
東下りを授業でやっているという生徒さんがいて、久しぶりにこの和歌をみました。
やっぱりうまいなぁと(笑)
三十一文字に掛詞、枕詞、縁語、序詞と入れた上で、「かきつばた」を折句にして詠みこむとか何度見てもすごいなと思います。
 
僕が東下りと同じくおしゃれだと思うのは隠し題として桔梗の花(きちかうのはな)を読んだ紀友則の詩。
-秋ちかう 野は成りにけり 白露の おける草葉も 色かはりゆく-
秋が近づき花が散りゆく情景を詠むと同時に、「あ(きちこうのはな)りにけり」とそれが桔梗の花をこっそり折り込んだ感じが上品で好きだったりします。
 
 
和歌以外にも、狂歌や川柳の中にお気に入りがたくさんあるので紹介させてください。
近江八景(瀬田の唐橋、唐崎神社、粟津原、堅田の浮御堂、比良の山、石山寺長谷寺三井寺)を読み込んだ
-乗せたから さきはあわずか たゝの駕籠 ひら石山や はせらしてみゐ-
せた からさきあわず かただのかご ひら いしやまや はせらせてみゐ
上の近江八景の隠し題は、蜀山人の作品です。
 
-いか程の南無題目を出されてもよむが妙法蓮華きやう歌師-
南無妙法蓮華経を混ぜて「どんな難題を突きつけられても読むのが『狂歌師』だ」と詠んだ蜀山人の作品には面白いものがたくさんあります。
-好きならば あくまで酒を 飲むがよし 野間(飲ま)で死んだる 義朝があり-
似たような作品で、酒ではなく女を買うのをやめたという人に書いた歌もあります。
-好きならば あくまで女 買うがよし 川(買は)で死んだる 弁慶もあり-
談志さんの蜀山人の落語で出てきた対になった狂歌です。
 
-知り合いに 役人ありし にんにく屋-
こちらは別の落語「源平盛衰記」の枕でよく使っていた川柳。
下から読んでも同じ詩(回文)になった川柳です。
 
-トド、ラッコ アシカ、アザラシ オットセイ-
狙ったわけではないのでしょうけど、同じ落語の中で偶然成立していた「五・七・五」。
ふざけているけれどやはりうまいなあと。。。
 
拾遺集にも面白い二首があります。
-一夜寝て 憂しとらこそは 思ひけめ 浮き名立つ身ぞ わびしかりける-
-生(む)まれより 櫃し作れば 山に去る 一人往(い)ぬるに 人率(ゐ)ていませ-
初めの和歌に(子・丑・寅・卯・辰・巳)が、次の和歌に( 午(むま)・未・申・酉・戌・亥)が詠みこまれているという作品。
 
古いものでなくても面白いものが、、、
-誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ-(シルバー川柳)
- 国民の 年金、損なの 関係ねえ-(21回サラリーマン川柳
-わんこより 安い飯代 ワンコイン-(サラリーマン川柳
 
-飽かなくに まだきも月の 隠るるか 山の端逃げて 入れずもあらなむ-
伊勢物語にでてくる一首。
「まだ眺めたりないのにもう月が沈んでしまうのか」と、月見の席がお開きになることを名残惜しんで詠んだ歌です。
 
まだ好きな詩はたくさんあるのですが、構成も考えず好きなものからただ並べていたので、そろそろ手詰まりに(笑)
自分で狂歌作って落とせたら理想なのですが、そんな才能があるわけもなく。
上の詩に対して返歌した紀有常の威光を借りて、苦し紛れに話を手じまいに、、、
 
-おしなべて 峰もたひらになりななむ 山の端なくは オチも要らじを-