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新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



BUMP OF CHICKENの藤原さんって、すごい自己否定の人生だったのだと思う。

音楽・歌詞考察
BUMP OF CHICKENさんの曲って、個人的にすごく心に突き刺さります。
とくに自分の「弱さ」や「強がり」を描いた歌なんかがそう。
なんでここまで人の隠したい気持ちが書けるんだって思うことがしばしばあります。
たとえば「ハンマーソングと痛みの塔」に描かれた気持ちなんかは、僕にとってその代表例です。

ーーー捨てたくても捨てられなくて 小さな痛み溜まってた
そいつをずっとしまってきた 一個目の箱満たされた
別に今更辛くもないけど 誰かが見てくれたらな
これだけあれば許されないかな 少し優しくされるくらいーーー

少しずつたまった痛みなんて別に今更どうってことじゃないけど、それでも陰で重ねてきた苦労を誰かに見ていて欲しい、理解して欲しいっていう気持ちが出ています。
本当はそれを誰かに叫びたいのに、強がって隠している微妙な気持ちが、たった数行で滲み出てくる感じが、本当にすごいと思う。


「乗車券」なんかも大好きです。
これは抜粋できるようなものでもないので歌詞を見てもらうのが一番だと思うのですが、「友達もみんな目をギラギラさせて」乗り込もうとする「腹ペコのバス」。
その「バス」には夢があれば乗れるのだけれど、主人公には明確な夢がない。
とりあえず適当に取り繕った夢を描いてそのバスに乗り込みます。
しかし途中でそれが自分の「望んでいた人生の行き先」に向かうものではないと知る。
ここで降ろしてと叫ぶけれど、自分の1人降ろすために、「皆」を乗せたその電車が止まってくれるはずもなく。。

こんな感じの歌詞です。
何も知らない時に流されて選んだ選択に後悔するけれど、もはや手遅れだという後悔や、若い頃の渇望感が出ていて、こちらもお気に入りです。


もうひとつ、「レム」という作品。
ー狂ったフリが板について 拍手もんです自己防衛 それ流行ってるわけ?孤独主義 甘ったれの間で大ブレイクー
ー与えられた餌の味 分からないけどまず批評 美味い不味いの基準は 隠れて読んだ週刊誌ー
ー変わったふりを見透かされて 芸術的な言い訳ー
この曲を聞いたとき、僕の頭には自分には才能があると、一人で強がっている男が浮かびました。
周りはとっくにその「強がり」に気づいていて、本人だけはまだ誰にも気づかれていないと思って強がりを続けている。
そのせいでどんどん追い込まれる。
歌の最後は「走り疲れたアンタと改めて話がしたい 心から話してみたい」と綴じられます。
僕がこの曲の何よりすごいなと思うのは、おそらく「強がっていた側」であろう作曲者自身が、「走り疲れたアンタと改めて話がしたい」という歌詞を書いてしまったところです。
強がっていた自分の気持ちを書くだけじゃなくて、それが周りに「強がり」と見透かされているという所まで書いている。


この三曲に限らないのですが、これらの歌詞を書けてしまう藤原さんは、どれだけ自分否定の連続の人生を送ってきたのだろうと勘ぐってしまいます。
僕も趣味程度ですが、曲や文章を書くことがあるので強く思うのですが、自分の中でしっかり形になっているものしか、文字に起こすことはできません。
その意味でこんなに自分の強がっている姿や本当に隠したい弱い部分を共感できる形で歌にしてしまうBUMPのボーカル藤原さんは、よほどコンプレックスを抱いた青春を送ったんじゃないかと思ってしまうんですよね。

歌にして言われれば確かにと共感できますが、こんな自分の弱さの中の、さらに一番深い部分をさらけ出したような歌詞、自分で書こうと思っても、まず書けないと思います。
まず、そんなところまで落ち込んだ経験がない人がほとんどだろうし、たとえあったとしても、そんな自分をここまで客観視している人なんで皆無だと思うから。


BUMPの曲を聴くと、ついついそれを書いた藤原さんってどれだけ自己否定や辛いことがあったのだろうと考えてしまいます。
と同時に、だからこそここまで僕らの心を打つ歌が書けるのだなあと納得させられる。
BUMPの曲って、そういう背景にいる作者の人生を想像させられるので、僕は聞くたびに惹きつけられます。