新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



視聴率低下の理由は、若者のテレビ離れじゃなくてテレビの中年離れ

個人的に今年の大きな変化だと思うものの一つにYouTubeCMのテレビ広告化があります。
特にここ半年で、YouTubeの広告はかなりテレビに近づいたように感じます。
その最たる例がTV番組の広告をYouTubeで流すという現状です。
それだけネットの存在感が増したということであり、同時にテレビ離れが進んでいるということだと思います。

テレビ離れについて、僕は「若者のテレビ離れと視聴率の間に因果関係はない」という持論を持っています。
一般に、視聴率が下がる原因として若者のテレビ離れが挙げられますが、実は若者がテレビを見ないのと、視聴率が下がっているのは、全く別の事象ではないかと思うのです。


基本的に僕は「視聴率」という数値をあまり信用していません。
視聴率を以って国民全体がどれだけテレビ番組を見ているかを測っているわけですが、実は視聴率の測定をしている母体値に大きく偏りがあると思うのです。
具体的には、視聴率測定のサンプルは、実際の日本人の年齢分布よりもかなり高くなっていると思っています。
多分、視聴率測定器が一人暮らしの家庭に入っている割合は、家族世帯の家にある視聴率測定器の割合に比べてずっと低いように思います。
首都圏の一人暮らし世帯は約5割で、そのほとんどが年末に帰省若しくは外に出ている(家でテレビを見ていない)と思うのです。
にもかかわらず、2014年の東京のテレビ視聴率はガキの使いと紅白(共に21時からの第二部)を合わせて61%。
仮に一人暮らしの人々が全員この二つの番組のいずれかを見ていたとしても、数字としてはバランスが合いません。
どの程度かは推測することもできませんが、一人暮らし家庭の視聴率が実数より小さく反映されていることは間違いないと思います。

一人暮らしの人々は、家庭のある人々に比べて、年齢層が低いということは、おそらく言えると思います。
であるならば、視聴率に反映されるのは若者よりも比較的年齢層の高い人たちということになる。
今の若者はテレビ離れがかなり進んでいるというのは、確かに事実です。
しかし、それはもともと視聴率には反映されていなかった数値であり、若者のテレビ離れが視聴率を下げているのではないのではないかと思うのです。


今のテレビの視聴率の低下の最大の原因は、こうした「元から数値として現れていなかった若者」がテレビから離れた事が原因であり、若者をテレビに「連れ戻す」事が視聴率回復の最大の手段であると勘違いして番組製作をしている事にあると考えています。
テレビ局側は、若者の注目を引くために、人気のアイドルや一過性の流行に乗っかった番組製作をする。
しかしながら、若者はもとからテレビを見ておらず、今の視聴者はもっと年齢層が上の人たちです。
見ている人たちはアイドルや流行にそれほど興味がない人たちであるのに、制作側は若者をターゲットにした番組ばかりを必死に作ろうとしている。
想定しているターゲットと、実際に見ている視聴者の層が違うのだから、視聴率が下がっていくのは当然です。
テレビ視聴率低下の最大の原因は、実は若者のテレビ離れでなく、制作側のターゲティングと視聴率層のズレにあるのだと思います。

以上の理由から、視聴率を上げるためには、視聴率に影響を与えているであろう、家族を持つ人たちをターゲットに特化した番組を作ることが有効であるように思います。
「家族向け×わかりやすい×懐古的」という掛け算の積が大きくなるような番組制作が、もっとも視聴率回復には効果があるわけです。
これらの積が大きな番組の例が「あまちゃん」や「半沢直樹」、「妖怪ウォッチ」に「AKBなどのアイドル物」など。
アイドルは一見若い男性向けに見えますが、テレビで扱う分には、「家族で安心して見れ」て、「シンプルや素人的な芸でわかりやす」く、「当時のアイドルブームを想起させる」というように、上の三つの要素を満たしていることが大きいように思います。

若者のテレビ離れというのは、一見もっともらしいですが、実はこの辺りに問題の答えがあるような気がします。

アイキャッチはアメトークのプロデューサー、加地倫三さんの「たくらむ技術」

たくらむ技術 (新潮新書)

たくらむ技術 (新潮新書)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
関連記事です。よかったらこちらもご覧下さい。