新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



「21世紀の資本」がこんなにヒットした理由 ピケティのマーケティング的側面

トマ・ピケティさんの21世紀の資本。
昨年末あたりから、凄い人気みたいです。
僕も読んでみたいと思っているのですが、まだ手を出せていません。
で、内容を知らないからこそ、コンテンツ面を無視して売れた理由について好き勝手言ってみようと思います(笑)


21世紀の資本が、緻密な研究データと、それに基づく鋭い分析であるというのは僕も知っています。
でも、「緻密な研究データ」だから、「鋭い分析」だから売れてるとはどうしても思えないんですよね。
データの緻密さや指摘の鋭さで売れるのだとしたら、他にもベストセラーになっているはずのものがいっぱいあります。
21世紀の資本が売れた最大の理由は、「内容の的確さ」ではなく、「顧客に支持されそうな内容であった」ことにあるような気がします。

仮にこの本と同じくらい細かく、そして緻密に書かれていた本であったとしても、内容がアフリカのキリンの生態についてだったり、ロシアのピロシキの歴史とかだったら、絶対にヒットしてないと思うんです。
キリンやピロシキでは極端かもしれませんが、21世紀の資本の結論が富裕層バンザイというものであってもここまでヒットしてなかったと思います。
「格差の拡大と富裕層批判」がテーマとしてある上に細かな分析がなされていたからこそのヒットである気がします。


この本を読むであろう人々がどのくらいのレイヤーに属しているか予想してみます。
まず、大前提として文字が読める人であるはずです。
そして、専門書を読むということで、ある程度の教養がある人々なはず。
そういう属性を持った人と、ホワイトカラーで労働力が買い叩かれている人は、ちょうど一致しているように思います。
その人たちが「聞きたい」ことは、富裕層の存在意義などではなく、格差の問題点のようなこと。
自分たちが漠然と感じている不安を、データで論理的に証明してくれているわけです。
書かれている内容そのものよりも、「自分たちが普段思っている」ことを「名声のある人」が「数値を用いて」説明しているという『事実』が何より買い手にとっては意味があるように思います。
たぶん、読んだ後の一番の感想は「そうなんだ」ではなく、「やっぱりそうだと思った」ではないかと思います。

たしか斎藤孝さんが言ってたと思うのですが、読書には「新しいことを知る読書」と「自分の意見に自信をもつための読書」があります。
先の意味でいけば、21世紀の資本は明らかに後者の読書であると言えます。
格差が広がっていることも富裕層に富が集中していることも、漠然とみんな分かってたから。
僕には先に買い手のニーズがあり、そこにぴったり合致したものが投下されたから一気に広まったようにしか思えないのです。
もちろん、ここまで火が付く以上、名著であるのは間違いないと思いますし、読んでもいない僕がケチつけるつもりは全くないのですが、それを断った上で、いい内容→人気になったという因果関係だけでなく、読者層が聞きたい内容→人気になったという要因も少なからずあるのは間違いないと思うんです。

僕は自己啓発本のことを、自分に自信をつけてくれることが書かれた本であると定義しています。
啓発というと自らを律するみたいなイメージですが、それ以上に耳に聞こえごこちのいいことが書かれているのが自己啓発本の最大の特徴だと思うから。
その意味でいくと、僕にとって21世紀の資本は大きく自己啓発本ということになっています(笑)

こんないい加減な暴論を書けるのは、僕がまだ読んでいないからです。
もちろん読みもしないでディスるみたいなことは嫌なので、しっかり読んで、改めて印象を書きたいと思います。

以上、読んでもいない無知な人間のトマ・ピケティ分析でした。すみません。。

21世紀の資本

21世紀の資本