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根性論が嫌いな人のための理屈勉強法8 | 私立大学の入試科目を絞るリスクと利点

入試戦略を決める際に科目を絞るべきか、それとも多くの科目を勉強して受験すべきかということで悩む人が多くいます。
往々にして、成績が伸び悩む人ほど科目を絞る方がいいのではないかと考える傾向にあります。
結論から言えば成績が伸び悩んでいる人ほど、科目は絞るべきではありません。
別に「まだ伸びる可能性があるから」とか、そんな楽観的な希望から言うわけではありません。
そうではなく、単に「科目を絞るという戦略は絶対的な得意科目がある人」が取るべき戦略だからです。
科目を絞るというのは、保険を捨てて、その分力を集中させるという選択です。
つまり、科目を集中させた分だけ失敗したときのリスクが大きくなるということ。
例えば5科目必要なテストであったとして、1科目傾向が変わり目標点よりも20点落ちたとします。
その場合、他の科目で補わなければならない点数は、各科目5点です。
しかし、もし2科目入試を選んで20点目標点を下回ったとしたら、もう片方の科目でまるまる20点をフォローしなければいけなくなる。
傾向が変わったり本番の精神状態で、失敗するということは、十分起こり得ます。
当然入試戦略を立てる際は、それらを加味した戦略が必要です。
つまり複数科目受験は勉強が増える「負担」ではなく、「保険」と捉えるのが正しい認識なのです。

こうしたことを踏まえた上で、科目を絞る戦略が有効な場合は、以下の2つの要件を満たす時。
1.絶対的な得意科目があり、2.他の科目を保険として受けるコストよりも、それらの科目が平均点を引き下げるコストの方が大きい場合です。
基本的に成績が伸び悩んでいるという人は2番目のみに該当している。
両方を満たしていないのであれば、リスクが増大するだけなので、科目を絞る戦略は取るべきではありません。
むしろ、受験科目を増やしてリスクヘッジポートフォリオを組む戦略を取る必要があります。

受験は高得点を狙うのではなく、合格最低点を超える戦いです。
であるならば、基本戦略はリスクヘッジを万全に行い、確実に目標ラインを上回る準備をするというものになります。
安易に科目を絞るという、リスクを高める戦略は、自分にとって優位な要件が揃う例外的な状況以外では選ぶべきではないでしょう。
少なくとも、苦手な科目があるからというような、ネガティブな要因から科目を絞るというのは、入試戦略上まったく効果がありません。
むしろ苦手科目が多い人ほど、科目を増やしてリスク分散に徹するべきです。
入試の戦略を練るときは、この「リスク分散」という考え方が非常に重要になってきます。


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