新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



アベノミクスの成果と偶然を切り離す

マジシャンはよく、テクニックとして偶然おきた出来事にそれらしい理屈を添えるということをします。
たとえば予めスマホの待ち受けをハートのAにしておいて、マジックをはじめるときに相手にカードを一枚選んでもらう。
そのカードがハートのAでなければ普通にその選んでもらったカードを使ってマジックに入ります。
しかしもし相手がハートのAを選んだ場合、予め選ぶカードを予想していたといって、スマホを開いて待ち受けを見せます。
これは完全に偶然の出来事なのですが、それらしい後付をすることによって、観客をぐっと引き込むことができます。
ある事象を見たとき、それが因果関係によるものなのか、それとも偶然の出来事にそれらしいロジックを後付したものなのか。
そんな視点でアベノミクスを見てみると、実は後者の影響の方が大きいのではないかと思ったりします。



アベノミクスにより、景気が回復したといわれます。
実際に日経平均民主党から政権交代して以降、二倍近くの成長をしています。
また、トヨタをはじめとする企業の高い業績を知らせるニュースも多く目にしました。
景気が回復しているというのは間違えない事実でしょう。
その上で、そこにはアベノミクスの効果により、景気が回復したという因果関係は成り立つのか。
僕はアベノミクスの効果によって景気が回復したのではないように感じています。

僕は、今の景気の回復は①リーマンショック東日本大震災で悪化した景気が正常値に戻ったという事と、②民主党から自民党に政権が交代して円安に振れた事の二つが主要因であると思っています。
①に関しては放っておいても起きる現象であり、②に関しては具体的な政策ではなく、政権が交代したという「事実」そのものに効果があることです。
仮にアベノミクスというものが名ばかりで、実際には何もプラスの影響を及ぼしていないとしても、上の2つの理由だけで相当景気が回復しているように思うのです。


もちろん、アベノミクスにまったく効果がないだなんていいません。
ただ、どこまでが政策の効果による景気回復で、どこまでが自然現象による景気回復であるのか。
因果関係と相関関係をしっかりと見定めることは必要である気がします。
アベノミクスという言葉がマジシャンの話す魔法の言葉に聞こえる今日この頃。。

アイキャッチはナシーム・ニコラスの「まぐれ!」