新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



論理的思考はただのツールでしかないということを忘れてる

よく、ロジカルシンキングが大切だということを聞きます。
もちろん論理的に考える力は不可欠だということはわかっているのですが、それはあくまで必要条件であって十分条件でない。
ロジカルシンキングは単なるツールであり、その前の段階に「ヒントを集める力」のようなものがあると思うのです。
僕はよ物事を料理にたとえるのですが、ロジカルシンキングは調理器具にすぎません。
どんなに一流の調理器具を揃えていたとしても、具材がなければそもそも「料理」にならない。
ロジカルシンキングばかりを鍛えるのは、一流の調理器具を揃えているだけのように見えてしまいます。
調理器具は豊富な食材があっ始めて力を発揮します。
この食材にあたるのが世の中に溢れている「思考のヒント」です。
いろいろな情報に敏感になってはじめて、ロジカルシンキングは役に立つものであるように思います。


ちきりんさんの「マーケット感覚を身につけよう」という本を読んだときに、考えたのが上に書いたようなことでした。
ちきりんさんのいうところのマーケット感覚というものは、一言で「可能性に気づく力」と言い換えることができるように思います。
(違っていたらごめんなさい。。)
日常生活の中に転がっている可視化されていない価値に気づく事で多くのチャンスに巡りあえる。
ちきりんさんはこれを、論理的思考とは違う、もう一つの力と表現しています。
「みんなロジカルシンキングのこと崇めすぎじゃね?もっと大切なことあるよ」という、ちきりんさんらしい皮肉混じりのアドバイスのように感じました。


堀江貴文さんにしろドワンゴ川上量生さんにしろ、夏野剛さんにしろ、言わずもがなちきりんさんにしろ、論理的に考えることはもちろんですが、それ以上に考える材料を見つける力が段違いであるように感じます。
彼らを「彼ら」たらしめているのは、その論理的な考え方ではなく、考えるヒントに気づく力です。
以前、2ちゃんねる管理人のひろゆきさんが出演した番組で「たぶん僕も堀江さんも川上さんも、同じ情報を用意されたらだいたい同じ意見になる」と言っていました。
これはまさに、思考そのものでなく、考えるベースになる情報の感知度が大切だということだと思います。
いかに論理的に考えられるかということでなく、どれだけ考えるためのヒントに気づくことができるのか。
ロジカルシンキングが注目されるほど、そのことが忘れられているような気がします。


逆にロジカルシンキングはほとんどしないけれど、考えるためのヒントに気づく能力がズバ抜けている人も存在します。
僕はその代表がチームラボの猪子寿之さんだと思います。
「お絵かき水族館」や「秩序は無くともピースはなりたつ」をはじめとする数々のアート作品を生み出す猪子さんですが、その発言はいつも気づかないニーズを言葉に起こしたようなものばかりです。
論理的に考えているというよりは、今まで誰も気づかなかったことを言葉にしているという印象。
(もちろん論理的に考えることもできる人なのだろうと思いますが)猪子さんは「考えるヒント」に気づく能力を最大限に伸ばした典型例であるように思います。


反対にロジカルシンキングだけがズバ抜けている有名人というのは、ほとんどいないように思います。
このことは、あくまで材料があってはじめてロジカルシンキングが役に立つことを裏付けています。
ここ数年、フェルミ推定MECEといったロジカルシンキングツールを紹介した本が書店に溢れています。
しかし、それを使うための情報に触れる際の姿勢やアンテナの伸ばし方を説明した本はほとんどありません。
そんな中で「ネタの見つけ方」に注目した数少ない本の一つがちきりんさんのマーケット感覚を身につけようです。
もともとファンなので、贔屓目になってはいると思いますが、論理的思考をしたいと思う人にこそ役に立つ、面白い本であるように思います。


久しぶりにブログ書いたら上手く書けず、本のPRみたいになってしまった(笑)

アイキャッチはもちろんちきりんさん