新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



マクドナルドの低迷の理由〜原因は鳥肉問題でも接客の悪さでもないと思う

最近、マクドナルドがやばいというニュースをよくみます。
で、その原因に昨年の鳥肉事件や接客、収益性重視の経営などが挙げられていることが非常に多いのですが、僕は実はもっとシンプルな理由ではないかと思っています。
僕が考えるマクドナルドが売れなくなった理由は①食事としての同価格帯の競合材が増えた事と②作業空間としての競合材が増えた事の二つだけだと思っています。

二つの側面から見る、マクドナルドの客離れの理由

一つ目に関して、10年前ならば2〜300円で食事ができるところなんて、マクドナルドくらいに限られていました。
だから、そういう価格帯の食事を望む人の大半がマクドナルドを利用していた。
現在はコンビニのプライベートブランドの発達吉野家をはじめとする牛丼チェーン、ファミレスのランチなど、同じ値段で選べる選択肢が増大しています。
選択肢が増えたために、客が分散したというのが大きな理由だと思うのです。

もう一つが作業空間としての利用価値です。
もともとコーヒーや軽食を頼んで一時間くらいの作業をしたり、雑談をするためのスペースとして使っていた人たちも多かったように思います。
マクドナルドを空間として利用していた人たちを属性で2つに分けると、片方は気軽に話をするために立ち寄れる場所がマクドナルドしかなくて利用していた層と、とにかく安く空間を利用できる事を目的にしていた層に分けられます。
そして前者の、ちょっと話したいけど本格的な喫茶店にはいるのは気が引ける位の人たちは、スターバックスタリーズといったお店に流れました。
で、後者の客層(主に中高生・大学生)はマクドナルドの方針で追い出すようにし始めた(笑)
その結果、スペースを買うという利用客が激減したように思います。

飲食店としてのマクドナルドとカフェとしてのマクドナルド

マクドナルドには、飲食とカフェの二つの側面があって、それぞれの特徴からどういう戦略を取るのかを考える必要があるように思います。
食事目的の飲食店としてとらえたときの、僕たちが持つマクドナルドの印象は「安さとそれに妥当な味」です。
そもそも高価格帯のものは求めていません。
たまに興味本位で期間限定品は食べるけれど、それが毎月になったら多分頼みません。

マクドナルドが飲食店の側面で戦略を練るとしたら、値段を安くするか、量を増やす位しかないように思います。
値段を安くするといっても、単品で価格を切り詰めるのはこれ以上できないと思います。
そうではなく、セット商品でお得感を感じるものを増やすという戦略です。
例えばお昼の主婦を狙った親子でワンコインのセットや主婦層のランチ向けの3〜4人前で1000円くらいのプチパーティセットなど。
或いは常に300円で日替わりでハンバーガーが替わるセットなんかもいいのではないかと思います。

もう一つが量で戦うという戦略です。
質を上げて高価格帯を受け入れてもらおうという戦略を取ろうとしていますが、多分そっち方面の需要はないと思うのです。
そうではなくて量を明らかに増やして、その分で値段を上げるというのがいいような気がします。
次郎系ラーメンの様に原価率の低い商品をバカ盛りで提供する。
例えばジュースのLサイズが200円近くしたら誰も買わないと思います。
自販機でもっと安く買えるし、コンビニに行けば、パックで1lが半額で買えるので。
でも、メガサイズとか作って、同じ値段で提供したら購入する人は増えると思います。
ペットボトルの値段に比べてお得に感じるメガジュースは一つの手かと思います。
或いは原価率の低いポテトの量を増やすなど。
同じ価格で大盛り、特盛無料の「増し増しシステム」とかつけたらいいと思うんですよね。
で、カウンターにコンソメパウダーやのりしおパウダーみたいなトッピングを置いておく。
量を増やしてその分で価格を上げるのは、結構有効な手段であるように思います。

カフェスペースとしてのマクドナルドの戦略

カフェスペースとしてのマクドナルドが取る戦略は以前も書いたのですが、全席コンセント完備、Wi-Fi環境完備などの設備を整える代わりに椅子席をやめて回転率を上げるというような戦略がいいのではないかと考えます。
一部の層は朝から晩までコーヒー一杯でたむろするような利用をしたいかもしれませんが、多くの空間を使いたいという目的でカフェを訪れる人は一時間以内の利用だと思います。
であるならば、こうした人たちが徹底的に使いやすい環境を作るのが、カフェとしての差別化に繋がるように思うのです。
ウォータークーラーや充電器を置いて、徹底的に短期利用のお客様満足度を上げる。
その代わり立ち食い席にすることで長時間滞在する客は減らす。
現在の問題の一つは、何も買わずに長期間滞在する客を追い出すために、短期利用しようとしている本来ターゲットにすべきお客様まで追い出してしまっているところにあるように思います。
スターバックスなどだと、どうしてもダラダラ喋る人たちで混んでいて、パッと入って作業したい時などに入れないことが結構あります。
そうした人たちをガッチリと囲いこめば、まだまだカフェとしての価値が提供できるように思うのです。


こんな風にしたら、少なくとも僕みたいなトライブで生活する層のお客さんは囲い込めるような気がします。


ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)

ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)