新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



本当に賃金を上げさせたいならデモでなく全国のバイトに出勤拒否を呼びかけた方が効果的

僕はONE PIECEに出てくる「悪魔の実」の設定を非常に気に入っています。
強大な力を得る代わりに、海賊としては致命的な海で泳げなくなるという呪いを受ける。
大きな結果を得る為には、相応のリスクを伴うという世の中の真理を象徴しているように思うのです。

先日、マクドナルドやすき焼などのアルバイトの待遇是正を求めるデモがニュースになっていました。
デモ自体の賛否に関しては、何も言いたいことはないのですが、デモのニュースを読んでいて、もっと有効な手があるのではないかと思ったので取り上げてみました。

デモで訴えるのではなく、集団でバイトを辞めた方が効果的

僕がブラックバイトデモのニュースを見て最初に思ったことは、渋谷で練り歩くための労力を全て注いで、全国の同じ境遇の人に同時にバイトを退職するように求めた方が効果があるのではないかということでした。
当然デモをするためには、当日までに参加の呼びかけやさまざまな準備に多くの労力を要しているはずです。
仮にブラックバイトデモに参加した人が1000人だったとして、その人たちが一人あたり10人くらいのバイトで働いている人間に「今の時給は不当だと思うから、○○日に一緒にバイト辞めてくれ」って呼びかけた方が効果的だと思うんですよね。
そして、参加者は当日全員で一斉にバイトを辞める。
一つの企業で同日に一斉にバイトが辞めたしたら、営業上大問題です。
おそらくギリギリの人員で回している飲食店であれば、多くの店舗が操業停止点まで追い込まれるでしょう。
そんなことになっては企業側としては困るため、少なくとも損益分岐点くらいまでは労働力に対してコストを割くようにしてくれるはずです。

リスクを伴わずに結果を求める

当然こうしたやり方には大きなリスクが伴います。
もし足並みがズレて示し合わせた日にバイトを辞めますと言ってくれる人が少なくなってしまったらその人たちはほぼ100%その職場には戻れないでしょうし、仮に訴えが成功したとしても一定数は職場の人間関係が壊れて、その後働きづらくなるでしょう。
しかし、本気で何らかのリターンを得たい(今回の場合であれば賃金アップ)のであれば、相応のリスクを負う必要があるはずです。
自分は何のリスクもとらず結果を求めるなら、その行動の結果得られる成果も相応のものにとどまってしまいます。
デモという行動は、主張をするだけで参加者の人たちが具体的にリスクを取っているわけではありません。
であるならば、その活動の結果実際に賃金が上がる可能性も現実的にはほとんどないように思います。
もちろんリスクを取らずに訴えかけられて、より多くの人が気軽に参加できるのがデモの良さでもあるのですが、バイトを雇う側に「今の環境のままでも辞める気は無いけど、賃金が上がったらラッキー」くらいの主張に受け取られてしまっても、有る意味仕方がないように思います。


今回のブラックバイトデモは全世界的に労働者の待遇改善を呼びかける運動の一環としてなされたものであるため、賃金上昇という実質的な成果よりもデモという活動自体が大きな意味を持っていました。
その意味でいけばこれだけニュースになったので、十分に目的は達成されたように思います。
もし世間に訴えかけるのが目的ではなく、本気で賃金アップを目指すのであれば、一斉にバイトを辞めるという運動が1番効果的です。

冒頭にも書きましたが僕はブラックバイトデモに関しても、いつでも辞められるバイトがブラックと騒ぐことに関しても、それ自体に賛否の意見は持っていません。
単に、1番実行的な賃金アップの手段はこれじゃないかと思っただけ。
実際にその規模でアルバイトの人間が辞めると言い出したら、企業側がどう対応するのか。
単純に社会実験として興味があります。
そうした「リスクを取った訴え」を見てみたいです。