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まだ文法で消耗してるの? | 覚えない英熟語②rememberもforgetも「〜したこと/〜すること」って覚えない

何かを作る側に立つと、どうしても見てもらう人にとってのわかりやすさより、作品としての美しさを優先してしまう場合があります。

完全に作り手のエゴのようなものなのですが、英文法の参考書にもしばしば「エゴ」が見え隠れする説明が存在するように思います。

僕が特に気になるのが、字面の美しさを優先した説明です。

たとえば[lie]と[lay]の違いです。

王道の説明は

[lie-lay-lain]は横たわる

[lay-laid-laid]は横たえる

というようなもの。

「横たわる」と「横たえる」。

参考書の説明としては非常にスマートに見えるのですが、それだけ覚える側にとっては混乱を招きやすいと思うのです。

こういう間違えやすい単語は、あえて離れた日本語役を用いることが有効だったりします。

後ろがto不定詞か動名詞かによって意味が変わる[remember]と[forget]を、あえて日本語を話すことで理解しやすくしてみたいと思います。

 

まずは[remember]と[forget]の用法を覚える前に、後ろに来るto不定詞と動名詞の基本イメージについて整理していきます。

動名詞の基本はネズミを追いかけてくるくる回る「トムとジェリー」です。

ネズミのジェリーは猫のトムからいつも逃げています。

ここから「逃げる」「避ける」「延期する」などの意味が連想できます。

そして、走り疲れたジェリーはいずれ走るのを止めます。

「やめる」「あきらめる」などのニュアンスはここに該当。

そしてトムとジェリーは毎回毎回懲りもせず、同じシチュエーションを繰り返します。

ここから「何度も繰り返す」イメージが生まれています。

こうした「逃げる」・「やめる」・「繰り返す」が動名詞の基本イメージ。

時制的には「過去」と「現在」をカバーしています。

それに対してto不定詞は未来を表します。

to不定詞の基本イメージは「的に刺さった矢」です。

矢の尾の部分が現在とすると、その先は未来を表します。

そんなところから、[動詞+toV]の形をとるものは、ほとんどが未来を表します。

 

これらをもとにして、[remember]と[forget]を考えます。

参考書的な解説では[remember+to不定詞]と[remember+Ving]はそれぞれ「~することを覚えている」、「~したことを覚えている」、[forget+to不定詞]と[forget+Ving]はそれぞれ

「~することを忘れる」、「~したことを忘れる」となっている場合がほとんどです。

「~することを」と「~したことを」という風に書かれていると見栄えはいいけれど混乱しやすくなってしまいます。

ここはto不定詞と動名詞の基本イメージに関連づけることで理解がしやすくなると思うのです。

動名詞の基本イメージの「過去や現在」を言い換えたら「思い出」、to不定詞の「未来」の基本イメージを言い換えると「予定」です。

「~したことを覚えている」を「思い出を覚えている」、「~することを覚えている」を「予定を覚えている」に換えてみたらどうでしょうか?

「~すること」と「~したこと」よりも「予定」と「思い出」としておいた方が、ずっとto不定詞と動名詞のどちらを使うべきか間違えづらくなるように思います。

 

似た表現だからこそ、あえて似通わない表現を利用する。

紛らわしい表現ほど、こうしたアプローチが有効であるように思います。

 

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