新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



最低賃金法があっても実質の賃金は低下する!相対賃金という考え方

最低賃金法があると、あるラインより賃金が低くなることはないように感じますが、実は相対的に見ると賃金はどんどん下がってるように感じます。
相対的にというのは、周りの物価が上がっているのに対して賃金が上がらないという意味ではありません。
そうではなくて、賃金の上昇率に比べて仕事量の増加率が圧倒的に大きいという意味です。
コンビニがその典型例です。
この15年ほどで、コンビニは非常に便利になりました。
各種公共料金の支払い、コーヒーの設置、郵便物の受け渡し、チケット販売、店頭コーヒー、店内調理のファストフード、電子マネーの決済、POSシステムetc...
パッと思いつく限りでも、2000年以降に追加されたであろうサービスが非常に多く存在します。
それらを導入する度に確実に店員の仕事量は増えているはず。
そしておそらくですが数年前から、接客研修にも力を入れているように思います。
そういった諸々を含めると、今のコンビニで働く際にこなさなければいけない仕事量はかなりの物です。
それに対して時給はそれほど上がっているようには見えません。
仮に仕事量で時給を割った相対賃金のようなものを考えたら、かなり賃金が低下しているといえると思うのです。
[相対賃金=時給÷仕事量]



僕は基本的に、辞めたら他の仕事がないとか、家族がいるからとかいう諸々の事情はともかくとして、少なくともシステムとしては嫌ならいつでも辞められる、つまり辞めないと言う事は続ける事で感じるデメリットよりも辞めた時のデメリットが大きいと判断しているのだと考えるため、相対賃金が低下しているというのを以って賃金上昇をみたいな話に繋げるつもりはありません。
そうではなくてあくまで特定の要素が揃ったら企業はどういう行動パターンになるのかを考えるだけ。
最低賃金が定められていると、企業が本来雇いたいと思っている「適正価格」とのギャップが生じる場合があります。
その場合企業は最低賃金と企業側の思う「適正価格」とのギャップを埋めるために取ることのできる選択肢は①時間外労働を強いるか②単位時間あたりの仕事量を増やすくらいしかありません。
ここ最近前者はかなり叩かれるようになってきたため、実質とれる選択肢は②の単位時間あたりの仕事量を増やすということくらいしかなくなってしまいます。
仮に各種賃上げ運動をした結果賃金が上がったとしたら、雇用側としては仕事量を増やして相対賃金を一定に保つという選択肢を取るはずです。
賃金が1.5倍になったとしたら、従業員の数が0.6倍になって一人頭の仕事量が増えるだけ。
それでも一見すると時給が上がっているように見えるので、労働を時間で測る人には労働環境が改善したように見えるかもしれません。
しかし、マクロな視点でみたら賃金上昇分雇用が減り一人当たり仕事量が増えているだけなので、実際は何も変わっていないということになります。
そして時給(=量)で計る法体系やデモなどでは、仕事量(=質)でカードを切る企業に対してアプローチはかけられません。

当然、仕事量なんていう指標はかなり主観的なものであり、統一の基準を設けることはできない。
しかし、同一企業の時系列で比較したら、比較年と比べてどれくらい仕事量が増えている(或いは減っている)ということを示すことができると思うのです。
それを元にすれば、適切な賃金の交渉もできるし、何より賃金が上がった分仕事量が増えただけなのに、見かけの時給に騙されて喜ぶということもでてこない。
バイトの人にかかわらず、働く際は時給がいくらかという認識と、相対賃金という考え方を持っておくことが大切であるように思います。
そもそも好きな仕事をしている人にとっては、全く関係のない話なのですが。。

アイキャッチは大学時代に労働の違う見方もあると教えてくれた松尾匡先生の著書「はだかの王様」の経済学

「はだかの王様」の経済学

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