新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



西洋医学型の学習と東洋医学型の学習

病気の原因を見つけて、そこに必要最適な処置を施すのが西洋医学であるのに対し、体調を整えることにより内側から病気になりにくい体を作るのが東洋医学であるとすると、勉強にもこれと同じように西洋医学型の学習と東洋医学型の学習が存在するのではないか?
最近僕がよく考えることです。

西洋医学型の学習は、解けない問題が出てきた時にその都度ピンポイントで解き方を教えて、成績を上げていくという指導法です。
それに対して東洋医学型の学習は、日常の学習週間や科目に対する向き合い方そのものを見直し、勉強姿勢を改善することで成績を上げる指導法。
今の教育現場では、西洋医学型の学習が圧倒的に多いように思います。


どうしても定期テストがあり、そこで得た得点が内申点に大きく影響して、それが入試で重要である以上、直前になって分からないところをひとつひとつ潰していくという勉強になりがちです。
これはシステム上仕方がないことだと思います。
しかし中長期的に見た時に本当に必要な力は、その都度テストのために分からないところを潰していくことではなく、分からない問題に出会った時に、自力で解決できる基礎体力を身につけることです。


現在の塾の流行はいかに西洋医学型の学習、つまり苦手な部分をピンポイントで見つけ出しそこに的確な処方箋を与えるかという方向に向いているように思います。
ITの導入の仕方なんかはまさにそう。
IT技術を使って一人一人が苦手な部分に最適なタスクを用意して、それを克服するための最短経路を導くというのが主流になりつつあるように思います。
しかしながら、僕はこれからの教育において、東洋医学型の学習こそが必要になってくるのではないかと考えています。
いくらある生徒さんが躓いている箇所にピンポイントで効く問題を用意したところで、本人がやる気にならなければ症状は改善されません。
それ以上に悪い部分を治すだけでは、根本的な学力の部分で成長したとは言えない。
本当の意味で学力をつけようと思ったら、生徒さんの学習姿勢そのものを改善していくようなアプローチが不可欠です。
そして、その部分に関してはITを用いた無機質なアプローチでは絶対に対応できません。
システムにより学習を管理することできちんとした学習習慣を身につけるというような売り言葉を見たことがありますが、そういう管理が一番勉強をしたくなくさせることは誰もが経験してきて分かっていることだと思います(笑)

IT技術は原因の分かっている問題に対して解決策を提示するのには非常にすぐれたツールです。
全てを0と1で処理するという、その思想は極めて西洋的といえるでしょう。
逆にITが苦手としているのが0と1の間のグラデーションの部分をターゲットにしている分野。
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「白か黒で答えろ」という 難題を突き付けられ
ぶち当たった壁の前で 僕らはまた迷ってる 迷ってるけど
白と黒のその間に 無限の色が広がってる
君に似合う色探して やさしい名前を付けたなら
ほら一番きれいな色 今君に贈るよ
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Mr.Childrenの「GIFT」の一節です。
教育なんてまさにその「間」に目を向けなければならない分野です。
IT技術のアプローチが最も苦手としているところ。
西洋医学的な思想ではなく、東洋医学的な思想による学習コンテンツを提供する。
僕が考えているひとつの大きな方向性であり、今後必要になってくる視点ではないかと考えていることでもあります。

アイキャッチMr.Childrenの「GIFT」

GIFT

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