新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



インスタントお姫様〜不幸自慢で注目を集める人たち〜

とかく、最近はインスタントお姫様が増えた気がします。

僕は、会った瞬間に笑顔で小噺を振ってくれるような人に会うと本当に尊敬します。
彼らはどんなに疲れていてもそういった姿を見せずに、目の前の人を楽しませようとする。
自分が不機嫌でいることで周りに与える「気遣いをしなくては」という空気の厄介さを知っているからだと思うのです。
僕は会った時に胃が痛いアピールをしたり、初っ端から愚痴を言われたりするのが非常に苦手です。
負のアピールは強制的に相手の気遣いを強いてきます。
そんな自覚はないと思いますがやってる側は間違えなく気分はいいはずです。
人は自分を気にかけてもらうのが大好きです。

通常の席で複数人と居る時に自分に注目してもらおうとしたら、相当に能力が必要です。
皆が注目してくれるだけの話術や周りを盛り上げる技術を持っているか、思わず皆が引き寄せられるくらいの強烈な個性を持っているか。
本来、真正面からグループの中で一瞬でも会話の中心になろうとした場合、大きな技術やエネルギーを要するものなのです。
しかしながら、ひとつだけそういうものを持っていなくても、手っ取り早く周りの注目を集める方法があります。
それが「負のオーラ」を発すること。
グループの中で負のオーラを帯びた態度をされると、見ている側はそれに対応せざるを得ません。
胃が痛い仕草をする、いかに自分が不幸かを話し出す。
そういうことをすると、聞いている側は対応せざるを得ないのです。

一方、話している側は、自分に対して周りが気にかけてくれているのだから、仮に気づいていないとしても気分がよくなります。
本来ならば技術や努力によって、周りにプラスの価値を与えた対価として手に入れられるのがグループの中での注目です。
自分が周囲の盛り上がりにコミットせずに、負のアピールで注目を集めようとするのは、自分の利益最大化のみを考えて貿易するのに似ています。
僕はこれを「注目の貿易摩擦」と呼んでいます。
厄介なのは、負のアピールをしている本人は、それに気がつかないということ。
一度でも負のアピールをすることで周りの注目が集めることに味をしめてしまうと、以後、そうした振る舞いがやめられなくなります。
誰もが潜在的に自分は特別なのだという「お姫様願望」を持っていて、その欲求が何の苦労もなく満たせるならば、負のアピールに走るのも当然でしょう。
誤解を恐れずに言えば、それの延長にあるのがメンヘラであり、リストカットなどの自傷行為であるように思います。
「生」の感覚を失った若者が痛みによって生きているという感覚を取り戻すという文脈でリストカットが語られることもありますが、僕は安易に注目を集められることに味をしめた先にある行為だと思っています。

努力するのは嫌だけどお姫様気分を味わいたい。
僕はそんな欲求のことを「インスタントお姫様」願望と呼んでいます。
ゴロがいいのでお姫様と言っていますが、もちろんこれは男女問わずに持っている願望です。
ある人はホストやキャバ嬢にそれを求め、またある人はクレームや被害者面をすることで満たそうとする。
或いは、周囲の知人に負のアピールをすることでインスタントお姫様願望を満たそうとします。
彼らの相手をする人たちは、その奥にあるインスタントお姫様願望をしっかり見抜いています。
ホストやキャバ嬢といった人たちであれば、それを飯のタネにしようと打算で耳を傾けてくれていて、友人や恋人であれば仕方なく付き合ってくれているわけです。
前者の場合はその対価をお金というわかりやすい形で受け取っているので全く問題はありませんが、後者の場合は一方的にテイクを求めているわけなので、友達として築いてきた友人残高みたいなものを減らすことになります。

僕は世の中は合計でプラマイゼロで帳尻が合うようにできていると考えています。
確かに、負のアピールをすると、簡単に周の人々にかまってもらうことができます。
しかしそれは、今まで積み立ててきた貯金残高を食いつぶしているようなもので、いずれゼロになるし、気がつけば負債になるものな訳です。
コミュニケーションは数値化されないからこそ気づきづらいですが、そこには確かにGIVE&TAKEの関係が存在しているように思います。
そのことに気づかずに、インスタントお姫様のマインドで「貿易摩擦」を拡大させていけば、やがて本当にかまってくれる人がいなくなるはずです。
人の注目はGIVE&TAKE。
この認識が、コミュニケーションを取る上で非常に重要であるように思います。

アイキャッチは構ってちゃん女子が登場する山田玲司先生の男による女の子のモテ本「モテない女は罪である」です。

モテない女は罪である

モテない女は罪である