新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



大学入試、英語長文の難易度の見分け方

英語長文の難易度を考えるとき、よく文章の長さを以って測る生徒さんがいます。
実際に多くの文章を読んでいくうちに気づくことですが、実は文章の長さと読みやすさは、あまり関係がなかったりします。
どんなに短い文章であったとしても、そこに難単語が多用されていれば読みづらくなりますし、逆に長い文章であっても、易しい単語が用いられていれば、自然と読み流すことが可能です。
扱われている内容によっても読みやすさは異なります。
同じ論説文であったとしても、よく扱われる温暖化や脳死についての文章であれば、それまでの勉強で得たバックグラウンドを用いてわからない箇所を補うことが出来ますが、それが哲学や芸術論のような分野であれば、論旨を掴むまでに、かなり骨が折れることでしょう。

僕はこうしたさまざまな要因を踏まえて、入試で扱う英文(現代文の文章も同じです)の難易度を、①使用される語彙②扱われる分野そして、③文章の形式の3つの観点から判断するようにしています。
①②は先に申した通りですので、③の文章の形式について簡単に説明させて下さい。
僕が問題文を分析する上で、重点をおいているのが、その文章の出典です。
ハードカバーの専門書からの抜粋なのか、新聞のニュース記事なのか。
或いはブログやwebページからの引用であるのか。
それらによって、文章の読みやすさが全く違ってきます。
また、同じ新聞や書籍、webからの引用であっても、それがインタービュー記事であるのか、口述筆記なのか、作者がいちから文字で構成した文章であるかによっても読みやすさが異なります。
web→ニュース記事→専門書の順に読み手にも一定のレベルを要求する文体となります。
そして、インタビュー記事→口述筆記→描きおろしになるにつれ、使われる言葉は話しことばから書き言葉へと変化して行きます。
同じ内容であっても、そこに用いられる文体や語調によって、全く読みやすさが異なります。
同じ国富論であったとしても、岩波文庫のものと中公文庫のものではまるで違います。
(ちなみに僕は日本経済出版社から出ている奴が一番読みやすかったです。)

解いた文章が難しいなあと感じた時は、上の3つの観点からどれが原因で文章が詠めなかったのかを考えて見るといいと思います。
何度か分析するうちに、自分が①~③の何処が弱いのかが分かるようになってきますし、それに応じて適切な対応も可能になってきます。