検索できない情報が付加価値になる時代
「酒は人をダメにするものではなく、人間がダメなものであることを証明するものだ」を座右の銘に掲げる僕のシルバーウィークは、身を持ってこれを体現し続ける毎日になりました(笑)
日曜日にずっと行きたかったルーヴル美術館展に行ったのですが、長蛇の列を見て断念。
展示されている作品のひとつに、ピーテル・デ・ホーホの「酒を飲む女」があるそうなのですが、酒を飲む女なら、並ぶこともなく居酒屋でいくらでも見られるだろうということで、まだ日の入が沈まない時間から、「晩酌」をすることにしました。
この十四代というお酒の酒蔵さんは取材NGを貫いていて、噂が噂を呼び、気づくと定価の何倍もの価格になったのだそう。
そんな貴重なお酒に加えて、いろいろ珍しい物を頂きました。
帰りには祇園で夜しか開かない「みよしや」という団子屋さんに足を運びました。
この「みよしや」さんも取材NGのお店。
写真を撮ろうとする観光客に、売り子のおばちゃんが物凄い剣幕で「NO!Photo!」って叫んでいました。
ビビりながら順番を待っていると、買うときには本当に優しい口調で「お兄ちゃんいくつ欲しい?」と注文をとってくれて、無事購入。
家に帰って美味しく頂きました。
翌日は家で買ってあった黒龍と田酒というお酒を開けます。
そして火曜日は、日本酒barへ。
新政から始まり、この日は甘めの日本酒を中心に選択。
偶然お隣になったおっちゃんに、いろいろな知識を教えて頂きました。
そこで聞いた話は、どれもネット検索では出てこないものばかり。
やっぱり、検索した情報量と、体験した情報量では雲泥の差があるのだと実感しました。
こんな感じで酒に飲まれる毎日を過ごしているわけですが、休み中ずっと頭をよぎっていたのが、東浩紀さんの「弱いつながり」という本でした。
すごーくざっくり言えば、ネットはむしろ既存の繋がり、既存の知識を強化するもので、新しいものは入りづらい。
だから、リアルな経験が重要みたいなお話。
スマホを持っていて、常時ネットに接続できる環境にいる僕たちは、気になることがあればなんでもWeb検索で分かると思いがちです。
しかし、リアルな繋がりの中でしか知ることのできない情報が実は多くあるわけです。
十四代の値段や評価はWebで知ることができても、歴史や酒蔵の話はなかなか載っていません。
酒好きの大将と仲良くなって聞かなければ知ることのできないことばかり。
あるいは団子屋の「みよしや」が夜しか開かない人気店という情報は知っていても、そこが昔はもっと早くからやっていたことや、十年くらい前まではそんなに並ばなくてもすぐ手に入ったといったお話は、偶然隣に並んだ地元のおばちゃんに聞かなければ分かりません。
ネットに転がる情報が全てではない。
そんな当たり前のことなのですが、リアルな繋がりに身を投じると、そのことを再認識できます。
やることに追われる日常生活では、僕らは何でもWeb検索に頼りがちですが、価値のある情報は、案外検索ワードに引っかからないものなのだろうと思います。
逆に言えば、そうした情報を集める術を持つことが、情報過多の社会で、付加価値を生み出すポイントになるのだろうと。
ブログ運営に関していろいろ考えることができた休日でした。
今日は休肝日(笑)
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