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新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



嫉妬深さの処方箋~「恨む」こころの作り方

ちょっと前まではすごく好意的に接してくれていた子に、急に恨まれるようになる。
すごく熱心に仕事をしてくれていた人が、急に敵意をむき出しになって目の前に対峙する。
ここ最近、ウェブ上を観察していても、僕のリアルな交友関係を見ていても、すごく好意的であった人が、ある日突然豹変したように、誰かに対して負の感情を抱くという場面を見ることが増えました。
初めから嫌っているわけではなく、むしろ好意的であったはずなのに、いつしかその相手が嫉妬の対象、果ては恨みの対象にさえなっている。
こういう現象って結構多いように思います。

愛情がやがて嫉妬や憎悪に変わっていくことを考えたとき、真っ先に「魔法少女まどかマギカ」という作品が頭に浮かびました。
作中に登場する暁美ほむらというキャラクターは、主人公を守るために、誰にも気づかれない戦いを一人続けています。
TV版ではひたすらに主人公まどかを守ろうとしたほむらが、映画版では、まどかはなぜ自分だけを見てくれないのかと思うようになり、その嫉妬心が物語の核を形成します。
ここには、一方的な愛情がやがて嫉妬や憎悪に変わっていくという過程が、端的に描かれています。

愛情や相手のためにという正の感情が憎悪のような負の感情に変わっていくのは、尽くした熱量に対して相手からのリターンが無い場合に発生する現象です。
わたしはあなたのためにこれだけいろいろなことを尽くしてきたのに、あなたは他の人に接するのと同じようにしかしてくれない。
或いは、自分は会社のためにこんなに頑張ってきたのに、何でそのことを誰もわかってくれないんだとかそんな感じ。
自分は特別な気持ちで相手に向き合っているのに、相手は他の人に接するのと同様な扱いしかしてくれないという感情は嫉妬心へと繋がります。
それがやがて「自分は特別扱いしているのに、相手はなんで自分を特別扱いしてくれないのだ。」という憎悪に変わる。
相手に対してコミットしている割合が大きいほど、嫉妬心や憎悪の度合いも深くなります。

本来であれば自分が一方的に行っているだけの行為のはずなのに、そこに相手からの相応のリターンがあるはずだと考えることによって、こうした愛情から憎悪への転化は発生します。
僕はこうした思考を「利己的な等価交換」と呼んでいます。
自分のコミットした熱量に対しては、相手から同等のリターンがあってしかるべきという考え方です。
自分が好きで行っている「好意」なのだからそれに対するリターンなど無くて当然であるところに等価交換の理論を持ち込むため、どんどん負の感情が溜まっていく。
これが、愛情が嫉妬や憎悪の感情に変わっていくざっくりとした過程だと思います。

タイトルで処方箋だなんて書いておいてなんですが、これはほとんど性質みたいなものなので、当人による効果的な治し方は無いように思います。
(嫉妬深さを治したいと思っている人は「利己的な等価交換」という自分の気質を治すだけですぐに改善されると思いますが、大体は嫉妬深いと気づいていないからそうなるわけなので。。)
ただ、そうした気質の人に会った時に、こちら側がある程度のリターンを意識的に提供することで、負の感情の大爆発に巻き込まれる可能性は減るのではないでしょうか。
「利己的な等価交換」メンタルを治す方法というよりは、「利己的な等価交換」との正しい付き合い方を探すのが効果的なように思います。


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