新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



以上の理由で分類Ⅱの人以外は試験科目を減らした所で入試は有利になりません

大学受験の生徒さんを相手にしていて、この時期になると必ず耳にするのが科目を減らそうな悩んでいるという相談です。
初めに僕のスタンスを申しておくと、僕自身は戦略として科目を減らすという選択をするのはアリだと思っています。
科目を減らすことで相対的に自分が優位に立てるのなら、どんどんすればいい。
ただし、戦略のない「科目減らし」には反対です。
ここで踏ん張らないのは情けないなどの根性論ではなく、逃げの科目減らしは単純に戦略として愚かだと思うから。
僕が考える受験科目を減らすことに関する僕の意見をまとめてみます。

科目を減らしても「有利」にはならない
科目を減らそうと考える人が言う理由の中で、最も多いのがこの「科目を減らせば周りと比べて有利になる」という主張です。
これ、実はかなりズレています。
いやっ、正確には比較対象を間違えていると思うのです。
確かに、科目を3教科なりに減らした場合、5教科なり7教科なりを使う人と比べたら相対的に優位です。
しかし、科目を減らした時点で、その人のフィールドは、自分と同じ3科目受験の人たちの場になるわけです。
みんなが同じ科目数であれば、その選択をした結果得られる「科目を減らして得たリターン」は全員が享受しているわけです。
周りは5科目で自分だけ3科目というなら確かに科目を減らすことで有利になりますが、戦う相手が自分と同じ条件である場合、それは利点とはなり得ません。
だから、科目を減らしたから有利になるという妄想は捨てた方がいいように思います。


科目を減らすのは、リスクが増えるということ
もうひとつ、リスクヘッジという観点からも、僕は科目減らしには反対です。
絶対的に得意な科目がある人間がそれ以外の「足を引っ張る科目」を捨てるのであれば、僕は賛成です。
しかし、試験に必要な科目が苦手で、他の科目まで手をつける時間がないから他科目を捨てるというのは、効果がないような気がするのです。
それどころかマイナスでさえあると僕は思っています。
その根拠がリスクヘッジという考えです。
複数科目を受けていれば、その分だけ一個目あたりの失敗をカバーする負担が小さくなります。
たとえば5教科7科目をセンターで受ける人ならば、数Ⅱで大ゴケして本来80点が欲しいところが20点になってしまったとしても、人科目あたりで補わなければならない点数は10点です。
しかしもし、国・数・英の3科目で受けていたとして、同じく80点欲しいところを20点しか取れなかったとしたら、ひと科目あたりでフォローしなければいけない点はおよそ20点。
もしこれが8割平均を想定していた人だった場合、そのロスを取り戻すのは、事実上ほぼ不可能です。
絞った科目が得意科目である人ならばともかく、科目を減らした際に残る科目に苦手科目が混じる人にとっては、リスクヘッジのチャンスを自ら捨てていると考えることもできるのです。

では、どういった人がこのような選択を迫られるのか。
僕は科目を減らすか否かの選択をするプレイヤーを、残る科目が[得意]または[苦手or普通]、捨てる科目が[得意]または[苦手or普通]という基準に基づいて、四つに分けてみました。
分け方は以下の通り。
Ⅰ類「残る科目が得意で捨てる科目が得意」
Ⅱ類「残る科目が得意で捨てる科目が苦手or普通」
Ⅲ類「残る科目が苦手or普通で捨てる科目が得意」
Ⅳ類「残る科目が得意or普通で捨てる科目も苦手」
この分類の選択と予想をしていきます。

まずⅠ類に関して。
科目を減らした場合に残る科目も捨てる科目も得意なⅠ類の人にとって、科目を減らした際に得られる具体的なメリットはありません。
一方で、科目を減らせばリスクヘッジというメリットを失うことになります。
つまり、このカテゴリの人にとって科目を減らすことは「利点≦0」ということになり、科目を減らすのは得策ではありません。

Ⅲ類に関してはⅠ類よりも取るべき戦略は明確です。
科目を減らした際に苦手or普通の科目が残り、得意科目が減るのであれば、科目を減らすという選択は明らかにマイナスです。
科目を減らさない場合、得意科目を用いて他科目をカバーできるということになるため、Ⅲ類の人も科目を減らすことの利点は「利点≦0」となる。

Ⅳ類に属する人にとってはどうか。
まず、科目を減らしたところで、戦う相手も同じく科目が少ないという条件であるため、科目を減らすことで一科目にかけられる時間が増えることは利点とみなしません
(科目を減らした場合にライバルとなる他の人にとっても科目あたりにかけられる時間が増えるのは同じなので)
次にリスクヘッジの観点から考えると、同じ苦手or普通科目であるなら、合計点に対する一科目あたりの得点の寄与度が小さくなる方がいいため、科目を減らすべきではないということになります。
つまりⅣ類に属する人にとっても「利点≦0」ということになる。

最後にⅡ類について。
科目を減らした場合に得意科目が残り、苦手or普通科目がなくなる彼らにとっては、科目を減らした場合、苦手科目がなくなるため、相対的に有利になります。
リスクヘッジの観点でも、苦手科目を本来必要な科目でフォローするよりも得意科目で勝負した方が有利です。
Ⅱ類に属する人にとっては、科目を減らすことは「利点≧0」という不等式が成り立つのです。

科目を減らすことに関して僕が考えるのは、こんなようなこと。
以上の戦略にあてはめて、自分が科目を減らす方が優位に立ち回れると思っているなら喜んで応援します。
しかし、それ以外の人の「科目を減らしたい」は、いろいろもっともらしい理由を言ってはくれるものの、選択として正しいとは思えないのです。
だから僕がこの時期に科目を減らすべきか相談き来られたら必ず言うことがあります。
それがタイトルの通り。

アイキャッチは久しぶりに読んだドラゴン桜

ドラゴン桜(1) (モーニング KC)

ドラゴン桜(1) (モーニング KC)