新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



食檄のソーマと暗殺教室に感じる受験教育への問題提起

ジャンプ連載中の食檄のソーマ。
文化祭編が終わり、始まった学校乗っ取り編(?)が非常に面白いなと思って読んでいます。
文化祭での主人公幸平創真とソーマが挑戦を挑んだ先輩久我との戦いが落ち着いたところでやってきたヒロインの一人薙切えりなの父薙切薊がやって来て学校を乗っ取ります。
僕が面白いと思ったのは、薙切薊の打ち出した学園の改革案。
薙切薊は、通常の生徒が自分でオリジナルの料理を創作することを徹底的に排し、一部の突出した才能をもつ料理人の技を模倣することを学園の方針にしようとします。
それに対して反対する主人公たちがこれからどういう行動をとるかというところなのですが、僕はこれが行き過ぎた受験戦争に対する問題提起に感じました。
個人のクリエイティビティを排し、技術の模倣に徹底することが、僕には点数で評価すべくあらかじめ用意された答えを求め競争する受験に重なります。
そこでは自由な発想ではなく、型どおりに、正確に解くことが求められます。
(最近は発想力を問う問題が多いのだという反論を受けるかも知れませんが、ここでいう自由な発想とは、もっと大枠の話です。)
特に私立中学入試を中心に受験競争はますます過熱しています。
下手したらちょっとしたレベルの大学入試に出てくるような問題をいることもあります。
そこまで加熱してしまった受験競争に対して、無意識の疑問をもつ人も少なくないはず。
食檄のソーマの今回のシリーズには、こうした実社会の状態が重なっているように感じます。

同じ問題提起は、暗殺教室でもなされています。
主人公のなぎさたちが通っているのは超進学校
少し前まえのシリーズでは、自分の理想の教育方針を貫こうとうする学校の理事長と、子供達に寄り添う殺せんせーの対決が描かれていました。
理事長の教育方針は徹底した詰め込み教育
絶大な支持を得ている理事長でしたが、結局そうした方針に生徒たちはついていけず、理事長の考えから離れていきます。
これも「受験競争ってほんとにいいの?」という問題提起がなされています。

どちらも週刊少年ジャンプに掲載されています。
どちらもちょうど受験勉強を強いられる少年向けの雑誌に掲載され、そしてどちらも二メカされるほどに人気を博しているというのが非常に興味深いです。
もちろん、食檄のソーマも暗殺教室も、こうした邪推なしに十分面白い作品です。
でも、無意識のうちにこうした現状の子供達の溜まった「違和感」のようなものを作品で表しているのも、子供達に人気の原因のひとつであるような気がします。
受験勉強に対する問題提起は、最近のマンガに出てくる「壁」や「未知の大陸」描写とあわせて僕が興味を持っているテーマだったりします。


アイキャッチは食檄のソーマ第一巻

食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックス)

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食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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