新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



多様性の権利と義務

ちょうどFacebookのタイムラインに「多様性」という言葉が流れてきたので、ふと思いついたこと。
基本的に僕は、全ての物事が等価交換だと思っています。
何かを得るのであればかならずその対価に失うものがあるし、何かしらの恩恵に預かるのであればそれに見合う物を提供しなければならないというのが基本的な僕の考え。
等価交換の原則を無視して、自分が利益ばかりを受け取っていれば、バランスが崩れ、その等価交換の場から自分が退場させられるか、特定の等価交換によって成り立っている場そのものが失われることになります。
そうならないためにも、何が提供される価値であり、その対価に自分が提供しなければならないものは何であるのかを意識することが重要です。

多様性に関しても、この等価交換の関係が成り立っていると僕は考えます。
仮に、多様性を大切にしたコミュニティがあるとします。
そのコミュニティを形成する人は、自分の個性なりを受け入れて貰うという「権利」を得ているわけです。
ではその対価は何か?
僕は多様性に対する対価としてあるのが「機会と時間を平等に配分する義務」だと考えています。
一人ひとりの個性が多様性を形成するわけですから、別に場の空気を読む的なことは必要ありません。
むしろ、それは多様性を阻害しかねない。
あるいは、他の人の多様性を受け入れるというのも少し違う気がします。
違う相手を受け入れるというのも、自分の個性を抑えることに繋がるため、多様性の対価としては適切ではありません。
そうして考えたときに浮かんだのが「機会と時間を平等に配分する義務」という対価です。

あらゆるコミュニティが基本的に、参加者一人ひとりが「空気を読む」ことでバランスが保たれます。
しかし、多様性を標榜するコミュニティでは、「空気を読む」こと自体が多様性の阻害になりかねない。
そのため通常のコミュニティとは異なり、空気を読むこと以外の手段で、バランスを保つ必要があります。
その「空気を読む」ことの代替手段として機能するのが、「機会と時間を平等に分配する」ことなのです。
全員が発言する機会や他の人と接する時間を等しく保つことで、そこには一定のバランスが生まれます。
多様性を権利として受け取る場合、その対価には「機会と時間を平等に配分する義務」を意識しなければならないわけです。

仮に特定の一人が、俺の多様性を認めろと言ってコミュニティを形成する人々の時間や注目を奪ってしまえば、そこでバランスが崩れます。
本来参加者が空気を読むことでバランスが保たれることの代わりとして機能している「機会と時間の平等」が崩れれば、そのコミュニティのバランス調整機能は無くなってしまいます。
そうすると、そのひずみは他のコミュニティ形成要員にしわ寄せとなって押し寄せる。
その状態が続けば、やがてコミュニティそのものがコミュニティとして機能しなくなります。
そうならないために、多様性を権利として受け取る一人ひとりが、対価として「機会と時間を平等に配分する義務」を意識しなければならないわけです。

では、権利しか見えていない人がコミュニティの形成要員に含まれていたらどうなるか。
コミュニティ全体として取ることのできる選択肢はその特定の要因を取り除くか、コミュニティそのものを解散するかの2通りしかありません。
当然そこに参加する人々のニーズの元に生まれているのがそのコミュニティなわけなので、後者の選択になることは考えにくい。
そうなると必然的にコミュニティのバランスを崩しかねない要因を生み出す人がコミュニティから排斥されるわけです。
これはある意味で仕方がありません。
また排斥された人は、それを以て「多様性を認めるといっていたのに排斥された」と非難することはできません。
多様性という権利と表裏一体で求められる機会と時間を平等に配分する義務を果たす努力をしていないからです。
冒頭にも書いた通り、等価交換の原則を無視して、あるプレイヤーが利益ばかりを享受していれば、やがてそのプレイヤーはその等価交換により秩序だったコミュニティからでていかなければならなくなります。
永遠に利益ばかりを享受できる「賢者の石」は存在しないわけです。

今回は偶然タイムラインで見かけたので多様性をテーマに等価交換を考えましたが、他のあらゆることに等価交換の原則が当てはまります。
多様性のように等価交換が何によって成り立っているのかが見えづらいものも多く存在します。
そうした見えづらい等価交換の対極を意識することが、コミュニケーションにおいても、また何かを成し遂げる上でも、大切であるように思うのです。

評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている

評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている