新・薄口コラム(@Nuts_aki)

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学校では教えてくれない満点じゃなくて8割取るための中学国文法助動詞攻略編②「れる」「られる」の識別

中学生の現代国文法に比べて、高校古典では、助動詞の解法がかなりしっかりと確立さえています。
「む」という助動詞には推量・意志・仮定・婉曲・勧誘・適当と6つの意味があり、それぞれ場合に応じて訳仕分けなければならないのですが、その見分けは文中にあれば仮定・婉曲、文末ならばそれ以外(ここから主語をチェックすれば明確に分類可能です。)といった具合に、かなりパターン化することができます。
現代国文法に出てくる「る」「らる」の意味の識別は、こうした古典の知識を使うことで攻略したいと思います。

まず、「れる」「られる」の意味から。
「れる」「られる」には、4種類の意味があります。
例えば「先生に怒られる。」という場合の「れる」なら、「~される」という意味で、受身になります。
これが一つ目。
「今年の冬は例年よりも暖かく感じられる。」という文の「られる」のように自分の気持ちを表すものならば自発、「社長が部屋に入って来られる」のように、主語に対する敬意を表すものは尊敬です。
或いは、「リンゴは皮まで食べられる」という文であれば可能の意味になります。
このように、助動詞の「れる」「られる」には受身・尊敬・可能・自発の4つの意味があるのです。

さて、具体的に意味の識別の仕方を理解していきましょう。
助動詞の「れる」「られる」を見たら、以下の順に従って識別をしていくと、おおかたは混乱することなく分類が可能になります。
①真上の動詞が感情表現・・・・自発
②主語をチェックして偉い人・・・尊敬
③もっと上をチェックして「人に/を」、「物に/を」がある・・・受身
④「る・らる」を「~することができる」に書き換え可能・・・・・可能
いずれにも該当しない場合は自力で判断するしかありませんが、8割得点を目指すのであれば(この解き方のコンセプトです)①~④の手順に沿えば十分であると思います。

実際に例題を使って説明します。
例題 次の文中の助動詞「れる」「られる」の意味を答えなさい。
 ① 犬に噛まれて、子供は泣き出した。
② 校長先生が教室に入って来られた。
 ③ 木々が赤くなって、秋の訪れが感じられた。
 ④ この問題なら、小学生でも答えられよう。
①の問題から手順に沿って考えていきます。
まず上の動詞が心情か動かを考えます。
文を見ると「噛まれる」となっていて、上の動詞は「噛む」なので心情動詞ではないので自発は×。
次に主語をチェックします。
今回は「子供が」となっているため、主語は偉い人ではありません。
したがって尊敬も間違え。
3番目に行うことは、上に「人に/を」「物に/を」があるか無いかを探すことです。
今回の文章では、「犬に噛まれる」となっていて「物に」が存在するので、受身が正解。

②の問題について。
先ほどと同様に真上の動詞をチェックします。
「来られた」となっているので、真上の動詞は「来る」です。
これは心情ではないので自発は×。
次に主語をチェックすると「校長先生が~」となっているため、主語は校長先生で「偉い人」なので尊敬が正解となります。

③の問題も、まずは真上の動詞をチェックします。
「秋の訪れが感じられた」とあり、「感じる」は心情を表しています。
よって③の文の「られ」は自発です。
因みに自発とは、僕たちが日常で用いる「自発的に」という意味ではなく、「自然発生」の意味です。

最後に④の問題について。
真上の動詞を見てみると「答える」となっているので自発は×。
主語は小学生なので「偉い人」ではなく尊敬は間違い。
上を見て「人に/を」「物に/を」を探してみても存在しないので受身も違います。
最後に「れる」「られる」を「~することができる」にして意味が通じるかを確認します。
「答えられる」は「答えることができる」と書き換えが可能ですので、④は可能ということが分かります。

以上が「れる」「られる」の識別です。
次回は、「う」「よう」の識別をまとめたいと思います。

 

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