新・薄口コラム(@Nuts_aki)

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学校では教えてくれない満点じゃなくて8割取るための中学国文法助動詞攻略編④「ようだ」の識別

だいぶ間が空いてしまいましたが、助動詞の解説の続きをまとめていきたいと思います。
第3弾は「ようだ」の識別です。
ようだという助動詞にはある事柄を根拠に判断を下す「推定」、具体例を提示する「例示」、そして比喩表現を表す「たとえ」の3用法があります。
「推定」に関しては他と用法が全く異なるので理解しやすいと思うのですが、「例示」と「たとえ」の判別で苦戦する人が多いのではないでしょうか。
まず、推定の見分け方から。
推定の「ようだ」とは、主にある内容から自分で判断を行うことです。
例えば「あの場所はとても涼しいようだ」という文章では「あの場所」の様子を思い浮かべています。
このように、自分の判断や想像の根拠になるものが「推定」です。
また、参考書によっては「推量」と「推定」と分けられている場合もありますが、これはその判断の根拠があるもの(=客観的)なのか、それとも完全な想像(=主観的)なのかで分けられます。

次に例示とたとえの見分けです。
問題を解く姿を見ていると、この二つの見分けで苦戦する人が多いように感じます。
たとえと例示の端的な見分け方は、「ようだ」で繋げられた比較物がイコールで結べるか否かで考えることで判別が可能になります。
「ようだ」で比較される内容がイコールで結べたら「例示」、比較内容がイコールで結べなければ「たとえ」となります。
次の2文を見てみます。
①天使のような彼女の笑い顔が好きだ。
②彼のような愉快な人に私もなりたい。
まず①の文章において「ような」で比較されているものは「天使のような彼女」つまり、天使と彼女です。
彼女が実際に天使であるわけではないので、イコールで結べません。
つまり①の場合は「たとえ」となります。
次に②の文章です。
「彼のような愉快な人」という文章において、彼=愉快な人という等式は成り立ちます。
したがって②の文章における「ようだ」の用法は「例示」ということになります。

実際に例題を試してみましょう。
① かれは困ったとき、苦虫をかみつぶしたような顔をする。
② とも子のような強い女性にあこがれる。
③ 雨でも降るような空模様だ。
まずは推定かそれ以外かから判断していきます。
①②は何かを判断しているわけではないので推定でないことがわかります。
③の「雨でも降るような空模様だ。」という文に関しては、「雨」は「空模様」を根拠に出した自分の判断です。
そのため、③は「推定」ということがわかります。
次に、①と②を細かく見ていきます。
「たとえ」と「例示」の違いは比較物が等式で結べるか否かですので、それぞれの文章の比較物を検証します。
「彼は困ったとき、苦虫をかみつぶしたような顔をする。」という文章ですが、もちろん「彼=苦虫をかみつぶした」わけではありません。
ってか苦虫ってどんな虫だってお話になるので、この場合①の文章は「たとえ」ということになります。
次に「とも子のような強い女性にあこがれる。」という文ですが、「とも子=強い女性」と考えたとき、この等式は十分に成り立ちます。
したがって②の文章での「ような」の使い方は「例示」ということです。

以上のように、「推定」「たとえ」「例示」の意味を持つ助動詞「ようだ」は、まず推定か否かを判断し、その上で比較対象物がイコールで結べるかどうかで判断することで識別が可能です。
「推定」「推量」の判断があるときは、その判断に根拠があるかないかで考えてみて下さい。

 

 

アイキャッチは僕の1番好きな国語の参考書、鶴見貴之先生の「高校やさしくわかりやすい現代文」

 

 

 

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