新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



承認欲求と基礎出力という観点で分けたアウトプットの質の違い

勉強や仕事ができる人とできない人の違いについて、僕は承認欲求と基礎出力という軸で4つに分けて考えています。
縦軸が承認欲求の高低、そして横軸に基礎出力をおきます。
承認欲求とは、周囲の人に自分の成果を認めてもらいたいという欲求です。
勉強に絞るなら、褒めてもらいたい欲求とでも言えばいいでしょう。
承認欲求が高いほど、仕事なり勉強なり、それ自体が目的化してしまい、高いパフォーマンスが発揮できません。
勉強なら、褒めてもらいたい症候群の子は「褒めてもらうこと」自体が目的になってしまい、その先にある学力の向上という本来の目的がぼやけてしまうのです。
あるいは求められる成果よりもずっと低いレベルで周囲からの承認を求めてしまうために、生み出される成果が低いクオリティでとどまってしまいます。
もうひとつの基礎出力とは、その人の持つ熱量や、エネルギーの高さのことてです。
これは特定のことにだけ熱を持つというような部分的なものでなく、あらゆることに共通して感じられるエネルギーの高さです。
何に対しても一度ハマるととことん没頭する。その没頭の仕方が徹底している。
そういった物事にハマる度合いのことを出力と呼ぶことにします。
出力が高ければ高いほど、当然仕事や勉強に向き合うとき、その打ち込み方は徹底したものになります。
逆に出力が低い人は何をやるにしても打ち込み方が浅いため、そこから生まれるアウトプットも中途半端。

承認欲求と基礎出力から、4つのパターンに分類してそれぞれを端的に命名してみました。
①承認欲求が低くて基礎出力が高い→エリート
②承認欲求が高くて基礎出力が高い→意識高い系
③承認欲求が高くて基礎出力が低い→かまってちゃん
④承認欲求が低くて基礎出力も低い→労働資源

①の承認欲求が低くて基礎出力が高い人たちは、何かに没頭したとき周囲の承認を求める傾向が少ないため、どんどん深く打ち込みます。
そのため、結果的に出てくるアウトプットが非常に完成度の高いものになる。
仕事でも勉強でも、もちろんそれ以外でも、ここに属する人は高いパフォーマンスを発揮して、いわゆる「優秀な人」と周囲に認められます。

②の基礎出力は高いが承認欲求も高い人たちは、①の人たちと同様に何事に対しても打ち込むエネルギーは高いのですが、承認欲求の高さのためにアウトプットが軽いものになりがちです。
もっと打ち込めばさらに高いパフォーマンスになるのに、周囲の承認を得るために、アウトプット急いでしまいがち。
結果として出てくる成果が低い、というよりも薄いものになってしまいます。
よく就活に早くから取り組んだり、学生時代からいろいろな活動をする大学生が意識高い系の学生なんて言葉で揶揄されますが、そういった人たちはここに属している場合が多いんじゃないかと思います。

③の承認欲求が高くて基礎出力が低い人というのは、教育現場でよく見かけるパターンだと思います。
あまり何かに打ち込むということはなく、周囲の承認に飢えている。
ここに属する人は、低いアウトプットを持ってきて承認を求めがちです。
勉強で伸び悩む子の大多数は実はここに属しているというのが最近の僕の仮説。
ここの状態から脱却させるには基礎出力を上げればいいわけですが、具体的な解決策となると簡単ではありません。
成果を上げるためには、かまってちゃんを脱却させて、①か②に持って行くことが重要です。

最後の④承認欲求も基礎出力も低い人について。
このカテゴリのネーミングを考えているときにパッと浮かんだのが、代替可能な労働者です。
基礎出力が低いため、同程度のアウトプットをできる人材は多く存在します。
また、承認欲求が高くないために特定の組織や人に依存する度合いも低くなります。
結果として取り替えやすい人材ということになってしまいます。
ドラマで言えばエキストラ、マンガでいえばモブ、或いは仮面ライダーのショッカーetc...
「労働資源」というのはこの辺のニュアンスを含みます。
ここに属する人は、まず承認欲求を高めることが重要です。
まずコミュニティや人間関係への依存度を高めることで、代替可能性を減らす。
その上で基礎出力を上げて行く。
そういった手順で少しずつ改善することが重要です。


僕はグループをまとめたりする機会があるときに、この分類を用いることが多いです。
基礎出力と承認欲求という軸は、結構便利だと思うので、よかったらご活用下さい(笑)

このテーマなら、やっぱりアイキャッチマズローの欲求階層説

人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ

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