新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



僕たちは思うほどには合理的に考えてはいないのかもしれない

物事を正しく見るためには、確率を正確に認識していることが大切なように思います。
学生時代、経済学の授業で大好きだった教授にいかに主観が入りやすいかを教えられました。
その教授はランダムに表か裏が出るコインのプログラムをスクリーンに映しました。
そして学生に、表が出ると思うか裏が出ると思うかを毎回聞くわけです。
1回目はちょうど表を選んだ人と裏を選らんだ人の割合は半分ずつ。
結果は裏でした。
そして2回目も教授がどちらかを学生に尋ねると、表と裏でちょうど半々になります。
今回も結果は裏。
3回目も教授は学生に尋ねます。
今回もちょうど半分ずつに分かれます。
で、結果はまたまた裏が出ました。
さて、4回目は。。
それまではちょうど半分ずつに分かれていた学生が、この辺りから表を選ぶ人が増えてきました。
表と裏が出る可能性は同じなんだから、これだけ裏が続けば次は表が出る確率の方が高いはずと考えたのだと思います。
そんな学生の反応を見て、教授は「馬鹿ですねえ(笑)」と言います。
コインの表と裏が出る確率は同様に確からしいのだから、何度やろうが次にコインの表と裏が出る確率は等しく1/2なのです。
教授は、このコインの実験を通して、確率の考え方の根本を直感的に教えてくれました。
僕たちは、それまでに起こった事象に引っ張られて、目の前の事象を正しく判断できなくなってしまうことが多いということを、この実験は示しています。

似たような例をもうひとつ。
こちらも有名な確率のお話です。
あるクイズで3枚のうち、1枚だけが当たりのカードがあります。
挑戦者が1枚を選らんだ段階で、出題者は残りのカードの内の1枚、ハズレのカードを開けてくれます。
その後に挑戦者にはカードを選び直すか、選らんだカードのままにするかという選択権が与えられます。
さてこの場合、選び直すべきか、そのまま選らんだカードで行くべきか。
①選び直した方がいい
②選び直さない方がいい
③選び直しても選び直さなくても確率的に同じ
みなさんはどれだと思いますか?
直感的には③のような気がするかもしれませんが、正解は①番です。
最初に選らんだ段階では、カードが3枚あったため、今手元にあるカードが当たりである確率は1/3になります。
しかしながら1枚のハズレが示された段階でもう一度選び直したら、今度は確率は1/2になるのです。
従って今回の場合、選び直すのが合理的な選択ということになります。
これは有名なモンティホール問題というものです。
確率的には選び直すのが正しいのに、僕たちはなぜか直感的に選び直さない方が当たるような気がしてしまう。

上の二つの例が示すように、僕たちは物事を判断する際に、自分で思っているほど合理的になりきれない場合が多いのです。
確率的に見抜けないために損をする場合が少なくありません。
逆に言えば、確率的に物事を捉えらない人が多いから、徹底して合理的に考える訓練を積めば、相対的に周囲と比べて得ができるとも考えられます。
実際に、株やFXのようなところでは、徹底的に合理的な判断が出来る人が儲けているはずです。
物事を感情にとらわれずに把握する力。
何かと便利なので、僕がいま一番つけたい力だったりします。

確率の話ならやっぱりこの人!アイキャッチ橘玲さん。