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新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



個人塾が大学受験指導をはじめるにあたって取れる戦略を考えてみた

先日、とある個人塾の先生と大学入試の授業の話になりました。
テーマは個人塾が大学受験指導に参入するならどのような戦略をとるべきか。
個人的に面白いテーマだったので、思考の整理をかねて、まとめて見たいと思います。
まず、大学入試というマーケットを考えたとき、センター試験を前提とする国公立志望の生徒さんや私立入試を志望する生徒さんをターゲットにした市場があります。
大多数が似た入試傾向をとるため、こちらはマス市場といえるでしょう。
それに対して、AO入試や公募推薦入試では、学校ごとの募集定員が少ない上に、それぞれの学校で課される課題がまちまち。
前者と比べて囲いこむことが難しいので、こちらをニッチ市場と呼ぶことにします。
まず、個人塾が大学入試市場に参入するには、どちらのマーケットを狙いに行くのかが大切になってくるように思います。

次に、ライバルとの競争要因を考えます。
僕がパッと浮かんだ、明らかに競争力になり得るのは、どれだけ合格させているかという実績、担当講師の指導力、金額、カリキュラム(学習環境を含む)の4種類です。
これらの要素をもとに、マス市場、ニッチ市場での個人塾の立ち回り方を考えてみたいと思います。
まずマス市場について。
マス市場は予備校やチェーンの塾の主戦場です。
そのため、これらのライバルが手を出しにくい要素で差別化をしなければなりません。
先に挙げた4種類の中で、勝てる要素とその考察をしてみます。
まず、実績と指導力について。
これらの要素は、規模を売りにする大手予備校やチェーンの塾にどうやっても勝てません。
まず、実績に関しては単純に母数が違う。
仮に100人にひとりしか有名校に受からせていなくても、10万人の生徒がいれば有名校への進学実績は1000人になります。
大手予備校には、進学校に無償で自習室を開放したり、学校の講習に予備校の授業を貸与するという戦略をとるところもあります。
そうやって進学校の優秀な生徒の合格実績が計上されれば、個人に勝つすべはありません。
そのため実績で戦うのは得策ではありません。
また、指導力に関しても、単純に勤務時間のうちのほぼ全てを教材研究に費やせる人間と、様々な業務も行わねばならない人間であれば、単純に費やした時間からみても、前者のほうが有利です。
したがって、指導力に関しても勝負の中心に持ち出すことは避けるべきです。
では、残る2要素はどうなのか。
結論から言うと、僕は個人塾のとることのできる選択肢は、ここにしか残されていないと思っています。

差別化要因として挙げられる四つの要素のうちの残り二つ、金額とカリキュラムについて。
組織運営をしている塾に対する個人塾の最大の武器のひとつは、本部に納める上納金のようなものが無い点にあるといえます。
その分を、生徒さんに還元できる。
したがって、価格競争は個人塾にとって、そこそこのメリットがあるといえます。
しかし、これも大手塾が規模の経済を利用して価格競争に対抗してきたら勝ち目はありません。
また、人によってはそもそも受験において価格競争が生じづらいという人もいます。
塾の授業はどこか、お守りみたいな側面もあるので、安ければ人があつまるのではないというわけです。
こうしたことからも、金額に関しては戦える分野ではあるけれど、その勝負の先には明るいビジョンが浮かばないような気がします。
もともと受験産業になじまない価格競争の果てに疲弊しきるという結果が目に見えています。
そう考えると残るのは最後のカリキュラムで差別化を図るという戦略です。
たとえば80分なり90分なりの講義をうけるだけの形式ではなく、そのあとに担当が側について演習時間を設けるみたいなカリキュラム。
あるいはメインの科目に付随してプリント学習等でサブ科目の対策もしてくれる、科目縦断型のカリキュラムなど。
こういった型にはまらないカリキュラムは、大手が容易に真似することはできません。
つまり、仮にマス市場こここそが個人塾が勝負できるポイントだと思うのです。
相場よりもやや低価格設定で、カリキュラムの独自性を売りにする。
マス市場で戦う場合の僕が考える有効な戦略はこんなかんじです。
本当はニッチのほうがいろいろ考えたのですが、文字数が多くなってしまったので、そちらはまたいつか書きたいと思います。


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