新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



人事が思わず読みたくなるESの書き方⑤話ベタはONE PIECEのあらすじを説明できない

 自己PRをする上で、自分の話をうまく伝えられるかどうかが非常に重要になってきます。

たとえどんなにすごいエピソードを持っていたとしても、それの伝え方が悪ければ、十分に相手に理解してもらえないからです。
自分の言いたいことを50%の精度でしか伝えられない人は、仮に90点の経験をしていたとしても、相手に伝わるのは45点ぶんです。
逆に50点分の経験しかしていない人でも、100%自分の言いたいことを伝えることができる人の場合、相手に伝わる情報量としては50点となり、90点の経験をしている人を結果として上回ることができるのです。
一般にコミュニケーション能力が高いといわれる人はここに属します。
自分では凄いと思っているのに一次選考の段階で落ちてしまうとか、自分ではしっかり言いたいことが言えたと思っているのになぜか試験管に刺さらないということにこころあたりがある人は、たぶんここで躓いています。

伝え方で重要なものは「顧客視点」と「要約力」です。
顧客視点とは、自分が何を話したいかではなく、相手が何を求めているのかを考える能力のこと。
こちらはこれまでの内容でずっと書いてきたので今回は置いておきます。
今回のメインは後者の要約力です。
顧客視点が身についており、相手が何を聞きたいのかが分かっても、その内容を伝えるときに、適切な情報を適切な角度から、適切な長さで話すことができなければ、相手に伝わりません。
この、「適切さ」を意識する力のことを、僕は要約力と呼んでいます。

たとえば、ワンピースをざっくり要約して語って欲しいといわれたとき、皆さんならどういう切り口で話すでしょうか。
僕は、この話し初めの方法で、その人に要約力があるかないかは大体見当がつくと思っています。
要約が苦手な人は、前から時系列で話してしまうのです。
ワンピースの面白さを教えてよって言われて、シャンクス(主人公ルフィが幼少期に影響を受けた海賊)の話から説明を始める人は、たぶん要約が苦手(笑)
確かにルフィとシャンクスの出会いは感動するシーンではあるのですが、話の筋ではありません。
要約とはそれを聞いて全体像がつかめるもののこと。
ワンピースは、現時点で80巻以上出ています。
お話の数も2016年4月23日現在で800話以上。
それを、一話のシャンクスとの出会いから話したら、膨大な分量になってしまいます。
要約である以上、自分の好きなシーンや感動する場面でなく、あくまで話の筋を意識しなければいけないのです。

こうしたことを踏まえて僕がざっくりワンピースの内容を説明するとしたら、話し始めはおそらく「主人公のルフィと言う少年が、冒険を通して仲間を集め、海賊王を目指すお話」と言います。
ゾロやサンジ、チョッパーやナミといった仲間の名前は一切無し。
ワンピースという幻の大秘宝の名前もゴールド・ロジャーという大海賊も説明しません。
ここから文字制限に応じて少しずつ詳しい説明を加えていきますが、それでもルフィ以外の固有名詞が出てくるのはしばらくたってからでしょう。

話の筋を追う練習をするには、いったん時系列に書き出すことが重要です。
マンガの場合はそのまま時系列になっているので構いませんが、エントリーシートの場合、そもそも「原本」がないため、いきなり筋を追うなんてできません。
いったん、説明したいことを全て時系列でノートに書き出してみてください。
全然書けないという人は、自己PRを録音してそれを書き起こすのがいいでしょう。
一番効果的なのは、面接をこっそりボイスレコーダーで録音すること。
実際に面接官と話すとき、自分がどのような順番で話しているのかがわかるためお勧めです。
また、声のトーンやどのような質問にどう返したかということも客観視することもできます。
書き出すなり録音するなりして、自分の話を時系列に並べることができたら、そこから、全体像を説明するために欠かせない筋を追っていきます。
それを元に情報を並べ直す。
このような手順で一度自己PRを「編集」することで、冗長で伝わりにくい文章が、伝わりやすい、しっかりとようやくされた文章になるわけです。
要約力に自信がないという人は、是非試してみてください。

アイキャッチはむしろ就活生が読んだらいいと思う面接本

良い人材を見抜く採用面接ポイント

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