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新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



就活本には書かれないテクニックではないエントリーシートの文章術〜プロは800文字の原稿を仕上げるのに何文字の下書きをするか?〜

今年の6月から有村架純さんが主演で公開となる「夏美のホタル」。
その原作者である森沢明夫さんが先日、ある番組に出演した中でインタビューについて質問されていました。
「ある人にインタビューをして、その中で記事になるのはどれくらい?」
森沢さんはこの質問に対し、「昔出版社に勤めていたときに言われたのは10聞いて1を書けということでした」と答えています。
相手から聞いた生の情報が10あるとしたら、それをギュッと凝縮して1だけ見せる。
それがインタビュー記事の基本だそうです。

ブロガーのちきりんさんがちょうど最新のエントリーで、プロゲーマーの梅原大吾さんとの対談本を執筆中と書いていました。
1冊を仕上げるために対談に費やした時間は100時間ほどだそう。
そこから情報を削って、新書の文字数に収まるように編集していきます。

小説でも卒論でもそうですが、何かしらの文章を書いたことがある人なら、文を書くことで一番重要な作業が、情報を削っていく作業であるということを、みんな知っています。
例えば1000文字の文章を書きたいとして、1000文字ちょうどで書くようなことをしたら、そこにできるものは、内容の無い、軽い文章になってしまうのです。

よほどの文才がある人ならば別ですが、そうでなければまともに相手に自分の主張を伝えたいと思うのならば、最低でも下書きの段階では、最後に仕上げる文字数の倍くらいの情報量は用意しておかなければなりません。
それが文章として成立する最低ライン。
これが10倍くらい用意できると、プロの記事レベルでしょう。
(ちなみに僕が自分のブログを「記事」でなく「エントリ」と呼ぶのは、この文を削る作業をほとんどしていないからです。)
就職活動をするに当たっては、どうしてもエントリーシートを書かなければいけません。
なんだかんだで毎年エントリーシートを見る機会があるのですが、そのときに一番感じるのが、どのくらい削って仕上げたの?ということです。

同じ800文字の志望動機でも、5000字の内容を削って仕上げたものと、300字の内容をなんとか膨らませて仕上げたものでは、読み手に伝わる情報量はまるで違います。
ただ、残念ながらほとんどの人のエントリーシートは後者です。
800字を埋めるのに必死になって、なんとかエピソードを膨らませた感に溢れているものも少なくありません。
だからこそ、しっかりと指定語数の何倍もの情報量を用意して、そこから削って、磨き込んだ文章を書き上げるというのは大きな武器だと思うのです。
毒にも薬にもならないような、うす〜いエントリーシートが溢れている中で、一つだけ磨き抜かれたものが入っていたら、試験官の目を引きつけます。
本当にそれくらい、磨き抜かれた文章と膨らませた文章には差があるのです。

当然具体的なテクニックが無いわけではありませんが、エントリーシートの書き方で悩んでいる人はまず、指定文字数の倍以上の情報を並べるということをしてみて下さい。
きっと、思いつくままに書いていった内容とは違うエピソードや視点が出てくるはずです。
そうしたネタがたくさん書き出せたら、次に編集作業です。
自分がアピールしたい魅力を相手にわかってもらうには、どのエピソードをどういう順番で見せるのがいいのか?
書くための材料が手元に揃っていれば、そういった部分にも自然と意識が向くようになります。
構成や編集は、ネタに溢れていて初めて行える行為です。
800文字の文章を書こうとして、その文字数いっぱいいっぱいで文を書こうとしていては絶対に考えの及ばない視点です。
逆に言えば、それをやるだけで圧倒的に輝いたエントリーシートを書くことができるということ。
2次面接や3次面接になってくると、エントリーシートの出来はあまり関係ありません。
(というか、初めの面接でそこは振るい落とされている)
だから、このやりかたは、一次面接に通らなくて悩んでいる人向けのものです。
もし書類選考で中々通ら無いという人がいたら、ここに紹介した、編集と構成を意識して書いてみるといいと思います。
ポイントは、文字数制限の倍以上を書き上げることと、それを元に自分がアピールしたいことが伝わるエピソードの並び順を考える事です。
是非、試してみてください。

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アイキャッチは森沢明夫さん「夏美のホタル」

夏美のホタル (角川文庫)

夏美のホタル (角川文庫)