新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



9月から過去問演習をしなければいけないと焦っている人への処方箋

例えば今あなたがポケモンをやっていて、いよいよ四天王に挑もうというまさにその直前だとします。
主力ポケモンの平均レベルは30。
さて、みなさんなら次のどちらを選ぶでしょうか?
①手持ちポケモンの並び順や技の出し方を変えて四天王に勝てるまで挑み続ける
②少し前のフィールドに戻って手持ちポケモンのレベルを上げる

3年生の9月も終わりに差し掛かると、とにかく過去問演習に取り掛かる人がいます。
もちろんそれまでのしっかりとした下積みがあるのならそれで構いませんが、(正直なところ)夏休みまでロクに勉強もしておらず、まだ十分に知識も入っていないにも関わらず過去問演習に取り掛かるという人がいます。
もちろん過去問を繰り返せば点数は上がりますが、それは「ある仕組み」があるからです。
この時期に焦って過去問に手をつけると、思わぬ落とし穴にはまることがあるので注意が必要です。

過去問演習を有意義なものにするには、そもそも過去問演習という勉強がどういった行為であるのかをしっかりと理解しておかなければなりません。
勉強には知識を頭に定着させるものと、頭の中の知識を使いこなす勉強の2つがあります。
過去問演習は明らかに後者の勉強です。
いくら過去問を解いたところで、(気休め程度の定着はあるものの)基本的に実力は伸びません。
「それでも過去問を解くうちに点数が伸びてきたんだけど、、」
こんな反論がるかもしれません。
過去問を解くうちに点数が伸びるのは、問題に慣れることによって、今持っている自分の知識量のMAXに近いところまで引き出すことができるようになるからです。
それなら過去問を解けばいいじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、ここで一つ、大事な視点があります。
それは、「そもそも現在の実力を100%引き出せば志望校に受かるのかどうか」ということです。
もちろん、今ある実力を全て出したら受かるだけの知識量に達している人ならばなにも問題ありません。
しかし、まだまだ自分の受かりたい大学に自分の知識量が達していないという場合はどうでしょう。
仮に過去問演習によって100%の実力を引き出せるようになったとしても、結局合格には手が届きません。
そもそも自分の実力が志望校に達していない場合、過去問演習をしたとしても、最終的に合格できるラインには到達しないのです。

「そんなこと言ったって時間が...」
まだ過去問演習をしたところで受かる実力が備わっていないから知識を定着させようというと、必ず上のように「間に合わない」ということを口にする人がいます。
もちろん、程度にもよりますがこの時期に基礎の定着をやっていては間に合わなくなる可能性はあります。
しかし、それなら過去問演習をひたすらすれば間に合うのでしょうか?
「今更基礎をやっても間に合わないから過去問演習をする」という因果関係は間違えです。
正しい事実認識は「今更基礎をやっていたら間に合わないかもしれないけれど、今過去問演習を始めたら100%届かない」です。
焦って過去問演習に手をつける人の多くは、今更基礎をやったときに間に合わなくなる可能性については考えているのですが、知識の足りない状況で過去問演習をした場合の合格可能性に意識が及んでいません。
仮に今から基礎をやったとして合格できる可能性が30%であったとしましょう。
この数値だけみたら、このやり方は取らないと思います。
しかし、今から過去問演習を始めた場合の合格可能性が5%であれば話は変わってきます。
5%を取るくらいなら、30%の確率を選んだほうが、「まだ」受かる可能性は高いのです。

「間に合わないかもしれない」のと、「間に合っても届かない」のとなら、冷静にみたら前者を選びますよね。
これはちょうど、冒頭で書いたポケモンの例と同じです。
多分、ポケモンであればほとんどの人が上の状況で一旦引いてレベル上げをするという行為を選ぶはずです。
受験勉強と全く同じ。
今の実力をフルで出せたとしても受かる水準に達していないのであれば、どんなに過去問を解いたところで受かる実力には達しません。
それならば間に合わないかもしれないけれど、レベル上げしようよと、そんな風に思うのです。
過去問演習をすると、確かに受かれそうな気がします。
しかし、この「気がする」が最も怖いのです。
フィーリングではなく論理で合格する筋道を考える。
闇雲に過去問演習をしている人がいたら、この視点が非常に大切です。


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