新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



就活に蔓延する「やりがい至上主義」と面白い大人たちの「判断基準」

 

年末年始に色々な人と飲んでいて、色々な人の仕事論を聞く機会があって、「向いている仕事」に関して今の僕の大きな関心事の1つになっています。

色々な人の仕事感がびっくりするくらいに違って面白かったのです。

ざっくりわかると以下のような感じ。

①やりたい事を仕事にしている人

②向いている事を仕事にしている人

③仕事以外にやりたいことがあり、仕事は仕事と割り切っている人

④楽しく生きる資金稼ぎの手段として仕事をしている人

上のような価値観を話してくれた人たちは、いずれも人を惹きつける才能を持っている人たちで、それぞれの理由も納得のいくものでした。

人生全てを賭けてカンボジアに映画を届けようとしているうちのNPOの代表は間違えなく①だろうし、休日だろうが授業をするうちの塾の先生たちはやっぱり①なのだと思います。

そもそも分析する事に長けているからマーケティングの部署に行った先輩は就活時から明確にやりたいことではなく優位に戦えるフィールドに絞っていました。

人に好かれるのがやたらと得意な理系の友人は、そのスキルを活かせるという理由で今の営業を選んだのだそう。

彼らは完全な②型。

因みに前者の先輩は学生時代、出席しなくても取れる単位の授業をかき集めて全て好成績を収め奨学金をもらい、「俺にとって大学はお小遣いもらうところ」と豪語していました(笑)

仕事以外の部分でボカロのプロデューサーをやっている友達もいますが、彼はまさに③型。

僕の友達のジャグラーがいるのですが、彼も完全に③のタイプです。

なんでも去年、ディアボロの大会でアジア大会2位になったのだそう。

収入が多い仕事について、休日は社員割引で遊びまくっている友達もいます。

彼はそうやってとんでもない距離感で友達のネットワークを築いており、そこから出てくる話はどれも面白いものばかり。

これが④型。

当然①〜④以外にも「家族のため」とか「生活のため」「どこかに所属したい」みたいな理由で働くという仕事観もあると思います。

①〜④を取り上げたのは、たまたま僕の身近に面白いヤツがいたと言うだけのお話です。

 

公私問わず、わりと大学生さんとの関わりが多いので、就活の話をよく耳にします。

また、自分が就活をしていた時期を振り返ってみてもそうなのですが、就活って①の軸だけが大きく取り上げられがちな気がします。

これは大学入試の進路相談でもそう。

「何をやりたいか」は大切だと思いますが、「何をやりたいか」で進路を選ぶ人が正しくて、それ以外は間違えだみたいな、いわば「何をやりたいか至上主義」みたいなのは何か違うように思うのです。

自分の好みを押し殺して、自分の得意な戦い方に徹するという選択もありだろうし、仕事以外の部分に主戦場を置くのもアリだと思うのです。

そもそも、そういう「見方」自体が今の就活ではほとんど与えられていないように感じます。

で、それはある意味当然で、就活マーケットのほとんどのサービスが、企業からお金をもらって成り立っています。

ということは、当然仕事を選ぶ基準みたいなものは「企業がこう選んで欲しい」というものになるはず。

だから、どうしても「やりがい」みたいなものが選択基準の中で大きな比重を占める事になるのだと思うのです。

 

上に挙げた①だけの基準で選ぼうとすると、All or Nothingで、自分の目に全く止まらないけれど、②の基準で見ると自分に向いた仕事が見つかるなんてことはザラにあります。

或いは③のように、別の所に自分の強みを見出したのなら、副業オッケーで残業が少ないかとうかみたいなものが決定的に重要になるかもしれません。

そんな、選ぶ基準の視点を複数持っているかどうかっていうのが、案外仕事選びには重要であるように思いました。

特に就活に関しては「やりがい至上主義」からちょっと距離を置いてみてもいいんじゃないかなあと思ったらするわけです。

少なくとも①で選ばなければ充実した社会人生活が送れないなんてあり得ませんし(むしろ①以外を当たり前のように軸に組み込んでいたやつの方が例外なく面白い)、①だけで考えた人ほどみるみる尖がなくなっているようにさえ感じます。

 

そんなことを、年末年始に仕事をしている人たちと、仕事を探している人たちにたくさん会う中で感じました。

さあ、仕事行ってきます(笑)

 

アイキャッチ堀江貴文さんの

 

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