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新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



塾講師の差別化とレバレッジの掛け方

コンサルタントでも塾講師でもそうですが、この手の職業の差別化は、突き詰めると持っている知識とノウハウによるものに尽きると考えています。

コンサルタントであれば、それまでの成功経験やマーケットの分析情報、そして各種分析ツールやアイデアなどなど。

こういったものの蓄積が、そのままもろにサービスとなって現れます。

塾講師の場合もこれとほとんど同じというのが僕の考え。

もちろん、熱心な指導だとか、子どもたちとどれだけ根気よく向き合えるだとか、マンパワーの部分が決定的に重要なのですが、そこは時間をどれだけ費やすかという話だけで、レバレッジをかけることができません。

その辺の勝負は、費やした時間=価値となるため、極端な話、就業時間とかを無視して時間をかけるくらいの差別化は要員にしかならない。

仮に子どもたちと接することが1時間あたり1単位という価値を生み出すとしたら、睡眠時間以外の全ての時間を投資したとして、せいぜい15.6単位分の価値しか生み出すことはできないわけです。

(そもそも生徒がいなければ時間を費やすこともできないので、実際にはせいぜい3.4単位分が限界でしょう)

 

塾講師において、生み出す価値をこれ以上に増やそうとしたら、つまり労働時間=価値単位という状態を超えて、自分の価値にレバレッジをかけようとしたら、一人当たりがどれだけ知識やノウハウ、あるいは指導のためのツールを持っているかしかありません。

これらは情報ということばにまとめることができますが、塾講師が集まるべき「武器となる」情報は以下のものになります。

①科目の研究

②入試問題の情報

③入試制度の情報

④学校の情報・進路の情報

⑤勉強方法の情報

もちろん他の要素も多々あるのかもしれませんが、僕はこの5つの要素をどれだけ溜めこめるかが、ある個人の「指導力」なる価値を決定すると考えています。

①は文字通り教えている科目に関する知識です。

それは、教科書に載っている範囲でどれだけ掘り下げられるかということもとちろんですが、同時に様々なジャンルのものに当たって仕入れてくる情報などもここに入ります。

たとえば僕は和歌の技法を教えるために江戸時代の狂歌や川柳を漁ったり、落語家の人がネタで使う川柳を集めたりしています。

或いは古典文法の説明を組み立てるために日本各地の方言を調べたり。

そういう本質となる知識や周辺情報を含めたものを研究して得られるのが①の科目に関する知識です。

 

②の入試問題の情報というのもそのままなので分かりやすいと思います。

入試問題の情報で差別化するには、大きく2つのベクトルがあります。

1つ目が時系列の情報で、2つ目が横展開の情報です。

時系列の情報とは、ある特定の学校(或いは地域)に関して、何年分も遡って問題を分析し、知識を蓄えるという物です。

○○大学は伝統的に××というタイプの出題が多いから、こんな対策が必要だよねといったタイプの情報がここに該当します。

時系列の情報は積み重ねた量がそのまま価値になる。

それに対して横展開の情報とは、広く浅く全体の動向を分析することで得られる情報です。

こちらはその年に出題された問題に1つでも多くあたり、トレンドを捉えるといったタイプの情報になります。

この時系列の情報と横展開の情報で差別化するのが②の方法。

予備校の先生なんかは、圧倒的にここに優れているように感じます。

 

そして③つ目が入試制度に関する情報です。

各学校の設けている試験の制度や合格最低点、倍率といったのがここに該当します。

どういう試験があり、どういう算出方法がなされているので、○○という学校には××というやり方が入りやすいといった情報をどれだけもっているかが、ここでの差別化要因です。

ここは研究というよりも完全な情報収集と分析です。

数値やニュースとのにらめっこ。

アドバイザー的なポジションだからということもなるのかもしれませんが、案外ここの情報を武器にしている人は多くないように思います。

 

④つ目は学校情報・進路に対する情報です。

こういう学部に進んだら、どんなことが学べるとか、特定の職業につくにはどんな進路を進むべきとか、そういうものがここに該当します。

就職率や資格取得率みたいなのもここに入るでしょう。

 

そして最後⑤入るでしょう勉強方法の情報です。

どのように勉強をすればいいのか、成績を上げるためにはどういうことが必要なのか。

そういう「なぜ成績があがるのか?」をノウハウ化することがここの情報の特徴です。

コンサルタント会社が持っている、会社独自の分析ツールみたいなもの。

ベテランの先生は暗黙知としてこの辺を蓄えている場合が多いのですが、案外これを言語化してノウハウにまで落とし込んでいる人はいないような印象です。

 

上に書いてきた①〜⑤の情報は、大きく①②が講師に求められる差別化要因、③④⑤はアドバイザー的な差別化要因であるということができます。

そして、これらの情報の中で①と②と④を自分の武器と位置づけている人が多いというのが僕の印象。

というか、③と⑤を武器に選んでいる人がほとんどいないという方が的確な描写であるような気がします。

少なくとも個人レベルでそこに焦点を当てて差別化しようとする人はあまり見かけたことがありません。

一方で、コンサルタント会社が強みとしているのはまさに③と⑤の情報だったりします。

もちろん教育とコンサルは違うのでそのまま当てはめて考えることはできませんが、価値を付加する方法が似ている以上、そこを武器にする人が1人くらいいてもいいのかななんて思います。

僕が(特に個別指導で)一貫してこだわっているのはここの部分。

1:1で子どもたちと向き合う際の最大の情報提供って、その子にとっての最上のコンサルタントであるということだと思うんですよね。

これは僕が塾でバイトを始めたときから一貫して思っていることだったりします。

僕は科目の研究が好きだからこそ①や②もやりますし、④についての情報も、他の同年代の人と比べて圧倒的に仕入れやすい状況を持っているから提供できる情報としてある程度用意はしていますが、自分が1番の武器にしようと考えているのは③と⑤の部分だったりします。

①は参考書を始めとした大量の入試勉強コンテンツとの競争になるし、②は予備校の先生のフィールド、④はITが発達して、途端に情報が拡充しつつある分野です。

③と⑤が拡充しない理由は非常にシンプルで、③は学校に好まれないからベネッセ始めウェブで情報を提供する企業は大々的に打ち出せない、⑤は直接お金にならないので時間を割けないというところがあると思います。

で、そこを武器にする人がいないからこそ、そこを強みにしようというのが僕のここ数年の戦略だったりします。

おかげで大分情報が集まってきました。

その辺を体系化したものは、またおいおい「研究成果」としてまとめてアップしたいと思います。

酔いが回ってきたのでこの辺で(笑)