新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



「美味しい」会話の作り方

「今日は全然しゃべらないんですね」
半年前くらいに知り合いの方とご飯に行ったときにこんなことを言われました。
イベントで知り合って、気があったのでその後改めてのみに行ったのですが、初めて会ったときの僕と、2度目にあったときとで、全然印象が違ったのだそうです(全然悪い意味で言われたわけではありません!)。
僕はよくその日によって雰囲気が違うと言われることがあるのですが、それは全くその通りで、その場の人数によってかなり意識的に立ち位置を変えています。
これはたぶん職業病なのだと思います。
塾の先生をやっていると、どうしてもクラスの規模感や空気感で、自分の立ち回りを変える必要が出てきます。
4~5人のクラスの場合は子供たちを主役にして話題を展開していくことも容易ですが、20人近くになってくると、自分のキャラクターで子供たちの注目をひきつけなければ不可能です。
かといって大人数相手にするような接し方で1対1の個別授業をしようものなら、あっという間に生徒さんに嫌われてしまうことでしょう。
人数によって、または相手や空気によって自分の立ち位置を変えるというのは、塾の指導に限らず、様々なコミュニッケーションの場で不可欠なスキルであるように思います。

僕は、コミュニケーションの方法を①タモリタイプ②さんまタイプ③たけしタイプ④紳助タイプの4つに分けて考えています。
さらに、コミュニケーションの場として、2・3人の場合、4~5人の場合、それ以上の場合という、シチュエーションによってそれぞれのタイプの振舞い方が異なってきます。
タモリタイプとは聞き訳に徹するタイプのコミュニケーションです。
1対1の時には徹底して相手の話に耳を傾ける人。
このタイプは1対1のコミュニケーションを最も得意としています。
親身に相談に乗ってくれるといわれる人はだいたいこのタイプ。
タモリタイプの人が4~5人での会話のグループに入る場合は、基本は聞き訳に周っているのですが、話のところどころで、自分の興味がある分野に関しては急に割り込んで、話に緩急を与えます。
もっと大人数の会話は苦手。
何人もいる飲み会の場では、盛り上がっている集団から少し離れたところで独自の空気感を築いてゆったりと2人くらいで深い話に花を咲かせています。

2つ目のさんまタイプは1対1のときは自分がひたすら面白い話を振りまいて相手を楽しませるパフォーマー
大人数のときはいろんな人の話にとぼけた返しをするリアクション芸人です。
さんまタイプが1番得意とするコミュニケーションは4~5人くらいの少人数のグループ。
相手の話を匠に膨らませて、その類稀な突っ込みのセンスで話のリズムを作り上げます。
居酒屋のカウンターとかにいる面白いお客さんや魅力的な大将は、だいたいこのタイプです。

3番目のたけしタイプは徹頭徹尾、自分が中心になって盛り上げるタイプ。
大人数の場を盛り上げるのは苦手ですが、4~5人のグループや、1対1のコミュニケーションで、圧倒的な力を発揮します。
4~5人のときは面白いボケや相手がツッコミやすいエピソードを提供してくれます。
一方で1対1のときは他の人が経験していないような特別なエピソードや人生観に溢れたネタの宝庫。
知らない世界を教えてくれる、トレジャーハンターみたいな人が、ここに該当します。

なかなかいない、大人数のコミュニケーションを最も得意としているのが、④の紳助タイプの人たち。
ここのタイプの人たちは、とにかく仕切りがうまい!
どんなキャラクターの人たちが集まっていても、その場に一番即した話題を提供できる人を選び出し、場全体を面白くすることができます。
4~5人のグループでは自分のエピソードを中心に話題を回し、他のメンバーを優秀なツッコミ役として参加している館を醸し出す。
1対1のときは相手の悩みに的確な答えを出して上げるコーチングタイプ。
場合によってはおせっかいに思われるかもしれませんが、上手く立ち回れば、絶大な信頼を獲得することができます。

以上に書いたのが、僕の思うコミュニケーションのタイプです。
これはあくまで向き不向きではなく、自分はどのシチュエーションでどのタイプを選んでいるかという自己分析に使う指標です。
その場にいるメンバーの中で一番中心に添えたい人がどのタイプであるかによって自分の立ち位置をどこに置くかを決めると、円滑なコミュニケーションの役に立つように思います。」