新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



Google翻訳のカメラ機能は、Twitterでイジる以上の価値がある

朝起きたら、google翻訳の画像翻訳機能が出てきて、久しぶりにこれは凄いと思いました。
サービス内容は専用のアプリをダウンロードして起動すると、それをかざすだけで自動に翻訳されるというもの。
GATSBY FACIAL PAPER→ギャツビー顔の紙」や「With Rose Hips→ローズで尻」みたいに、 まだまだ誤訳が多く、Twitterではそれがネタにされていましたが、このサービス、ポテンシャルを秘めていると思うんです。
ちょうど先日、藤沢数希さんのメルマガでGoogleフォトの話が出ており、この二つのサービスが組み合わせて考えると、とんでもないポテンシャルを秘めたサービスだと思ったのです。

僕は基本的にGoogleのビジネスモデルって、便利なサービスを無料で提供し、そこで得た膨大なデータを下に様々なサービスを作りあげて圧倒的な差別化を測るってところにあると思っています。
アンドロイドもそのソフトウェアを売ることでは無くて、それを通してGoogleのサービスを使ってもらうことが目的。
とにかくGoogleのプラットフォームを使ってもらえさえすれば、そこに広告を貼ってマネタイズすることもできるし、企業向けに提供する消費者の行動を記録した膨大なビッグデータを抱え込むこともできてしまいます。
極端な話、全てのウェブ上の行動をGoogleが所有してしまえばそれを使ってGoogleはどんなサービスでも提供できます。
企業向けに膨大なデータを用いて消費者層に最適化した広告を作ることもできるし、そのデータを下にコンサルティング的なこともできる。
絶対にやらないとは思いますが、Googleのサービスが僕たちの生活に無くてはならないものになった段階で有料に切り替えたら、僕たちはお金を支払ってでもそのサービスを使い続けなければならないでしょう。
今でもgmailなど、明日から有料になるからといって別のサービスに乗り換えるなんてことはできないって人は多いと思います。

僕はGoogleフォトに関して、利用者がクラウド上に画像を保存できるというサービスは表面的な部分であり、このサービスの根幹は膨大な画像データの分析にあると考えています。
世界中のあらゆる人が撮った写真データを持っていて、それを人工知能で解析する技術も持っていれば、世界中の人びとのあらゆる行動パターンをデータとして分析することが可能になります。
たとえば夏休みにはどの世代のどういう人種の人がどこに旅行に行く傾向が強いみたいな分析も容易にできるようになると思うのです。
画像データからは検索ワードやメールの言葉からは分からない、より日常に即した行動パターンが得られるはずです。
その辺のデータを集めることが、このサービスの根幹だと思うのです。

翻訳に関しても同じです。
今はまだ誤変換も多いですが、世界中からの膨大なデータが蓄積されれば、すぐにその辺は修正されるでしょう。
というか実際にテキストベースのGoogle翻訳も音声文字起こしも間違えのデータを蓄積することで現在かなりの精度になっていることを考えれば、すぐにそれらとど同等の精度になるのは眼に見えています。
より精度が上がれば、このサービスは海外に出かけるときに必須のアイテムになります。
圧倒的な即時性があるからです。
「分からない後があったら打ち込む」というのは、タイムラグがありますし、英語であればアルファベットを打ち込むだけだから問題ないけれど、そもそも中国語や日本語みたいなものの場合、読み方が分からなければ翻訳以前にスマホやパソコンに打ち込むことがすらできませんでした。
それが、カメラをかざすだけで認識し、勝手に翻訳してくれるとなれば、その辺の障壁が一気に解決します。
このサービスは恐らく日本人以上に欧米の人たちがアジア圏やアラビア語圏に旅行に行くときに便利なサービスになるはずです。
Googleフォト同様に、僕がこのサービスで面白いと思っているのは、ユーザーの生活がデータとして手に入るということです。
人びとが海外に出かけた際に、どういう行動パターンを取るか、どういうところに煩わしさを感じているか、そして当然どういう層の人間がどのような商品を購入するかというパターンが翻訳で当てた画像から分析することができるわけです。
ここまで人びとの生活に踏みこんだデータを持ってしまえば、他の企業はいよいよ追いつく手段はなくなるように思います。

僕はウェブを介したグローバル企業の勝負は、データの収集が勝負だと考えています。
人びとの消費行動の情報を握っているのがアマゾン、コミュニティ情報を握っているのがFacebook、人びとの感情の情報を握っているのがTwitterという感じです。
いずれの企業も踏み込めなかったのが現実世界における行動パターンです。
GoogleフォトやGoogle翻訳のカメラ機能は、その辺まで踏み込んでいけるという点で、情報収集の勝負において、頭ひとつ飛びぬけた感じがするのです。
スマホの普及で日常にウェブ環境を携帯できるようになったことの本当の影響は、いつでもウェブにアクセスできるという消費者サイドではなく、24時間ユーザーの行動パターンを徹底的に分析できるようになった企業サイドにこそ大きなメリットになるように思います。
この辺の動きはここ数年本当に重要になってくるように思うので、しっかりとチェックしておきたいです。