新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



テスト前日にとりあえず7割理解したい人向けの古典敬語の対策

高校古典において学生を悩ませる2大悪、それが助動詞と敬語です(笑)

毎年この2つに関しては「わからへん!」と頻繁に相談を受けます。

特に助動詞は丸暗記で乗り切ることができても、敬語はお手上げという人が多い様子。

特にその敬語が「誰から誰へ」使われているのかを答える敬意の対象なんかはそう。

ここが苦手という人は多いのではないでしょうか?

僕は普段指導するとき、「最低限の努力で最大限のパフォーマンスを発揮できるライン」を意識するようにしています。

たとえば敬語なら、最初から完璧に覚えるのではなく、8割くらいが分かる状態を目指すといった具合です。

とりあえず8割を理解するのにかかる労力と、全部を完璧に理解する労力では全然違うんですよね。

確かに、敬語の内容を完璧に理解しようとすると難しいですが、「とりあえず8割」を目標にするのなら、そこまで大変な話ではありません。

ここに目標ラインを定めるのなら、次の3つのポイントを押さえるだけでいい。

ということで、僕がテスト前日に教える敬語攻略の3つのテクニックをまとめてみたいと思います。

 

1.覚える敬語は10個だけでいい

敬語の単元で最初につまずくのは、単語を覚える部分です。

全部で30個近くある高校生が覚えるべき古典単語のそれぞれの意味と、働き、そしてもとの形を覚えて…、なんてやっていくうちに頭がパンクしてしまう(笑)

もちろん最終的には全て覚えなければなりませんが、これらの敬語はよく使うものとめったに出てこないものとばらつきがあります。

そして、少なくとも敬意の対象を答える場合に関しては、尊敬・謙譲・丁寧の分類だけできれば構いません。

こういうわけで、僕は敬語の説明をするときに、全体の8割以上(当社比 笑)を構成する超重要敬語10選として、次の10個の敬語を挙げています。

尊敬語・・・給ふ/おはす(おほす)/思す

謙譲語・・・申す/参る/奉る/聞こゆ

丁寧語・・・侍り/候ふ

敬意の対象を答える際にもっとも重要なことは、意味ではなく敬語の種類です。

従って、本動詞や補助動詞の区別や、それぞれの意味なんかは無視して構わないので、上の10個の敬語の種類だけをまず覚えるようにしてみてください。

 

2.敬意の対象は訳して考えない!

「敬語っていうのは、相手と自分の間に差をつけることで敬意を示すもので、相手を上にする場合を尊敬、自分がへりくだって相手を立てるのを謙譲と言うんだ」

一般的に、敬語に関してはこういう説明をされることが多いと思います。

確かに仕組みはこの通りなのですが、これってわかりづらくないですか?

少なくとも問題を解きたいと思っている人にとっては、敬意の表し方なんてどうでもいい(笑)

正しく理解するための知識と、問題を解くのに役に立つ知識は微妙に異なります。

今回はあくまで「定期テストで敬意の対象の単元を解く」ことを目的としていますので、敬語についてのルールを以下のように覚えて下さい。

 ①尊敬語・・・主語(~は/~が)に対する敬意

 ②謙譲語・・・目的語(~を/~に)に対する敬意

 ③丁寧語・・・相手(読み手/聞き手)に対する敬意

「この敬語の意味は〇〇だから」みたいなことはどうでもいいです!

とにかく尊敬語だったら主語に対する敬意、謙譲語だったら目的語に対する敬意。

このように機械的に敬意の対象を決めてしまってください。

 

因みに、敬意の対象について、絶対に覚えておくべき、むちゃくちゃ重要な視点があります。

それが、丁寧語のところで出てくる「相手」という考え方です。

丁寧語は「相手」に対する敬意を表すわけですが、この相手というのが分かりづらい…

「この文の主語は源氏だから、その相手は…」なんて考えると、大きな罠にはまってしまうわけです。

丁寧語における「相手」というのは、『敬語を使っている人にとっての相手』です。

たとえば、僕はこのエントリを「です・ます」調、つまり丁寧語で書いているわけですが、僕にとっての相手とは誰でしょう?

このエントリを書いている僕にとっての「相手」とは、今これを読んでくれている皆さんです。

つまり、このエントリにおける「です・ます」の敬意の対象は全部「読み手(皆さん)」となるのです。

これが会話の場合であれば、話を聞いてもらっている人が「相手」になります。

会話の中に出てくる人とかは関係ありません。

この視点がしっかりと身についていないと絶対に混乱してしまうので、確実に抑えるようにして下さい。

 

 

3.敬意の発信者は2パターンしかいない!

敬意の対象の問題では、多くの場合「誰から誰に対しての敬意であるか」が問われます。

「誰へ」の部分は前に書いたテクニックのとおりです。

3つ目のポイントでは、敬意の発信者(誰からの敬意であるのか)をつかむためのテクニックを説明します。

敬意の発信者に関して、苦手意識を持つ人が多いようですが、これもシンプルに考えて下さい。

敬意の発信者は次の2通りしかありません。

 ①「 」がない部分の敬語ならば作者からの敬意である

 ②「 」内の敬語であるのなら、その会話の話し手からの敬意である

※ただし「大鏡」の場合は文全体が会話と言う形式をとっており、作者ではなく語り手とする

難しいことを考えず、会話文でないのなら作者からの敬意、会話文の中の敬語であれば話し手からの敬意としてしまえばいいのです。

たとえば、[大納言、中宮に「少将が姫を見申し給ひ侍り」と申し給ひ侍り]みたいな文章があったとして、「 」は大納言が中宮に話している会話なので、「 」内の敬語(申し/給ひ/侍り)は全て大納言からの敬意であるということになります。

そして「 」の外の敬語(申し/給ひ/侍り)は全部、作者からの敬意となる。

このように、敬意の発信者を問う問題は登場人物が何をしているみたいなことは一切考えず、機械的に解くことが重要です。

 

実際に敬意の対象(誰から誰へ)について考える

上に挙げた3つを押さえたうえで、敬意の対象について考えていきたいと思います。

敬意の対象は突き詰めると、誰から(2パターン)と誰へ(3パターン)の組み合わせで、6種類しか存在しません。

具体的に並べたら下のようになります。

①「 」の外×尊敬語・・・・作者から主語に対する敬意

②「 」の外×謙譲語・・・・作者から目的語に対する敬意

③「 」の外×丁寧語・・・・作者から読み手(相手)に対する敬意

④「 」の中×尊敬語・・・・話者から主語に対する敬意

⑤「 」の中×謙譲語・・・・話者から目的語に対する敬意

⑥「 」の中×丁寧語・・・・話者から聞き手(相手)に対する敬意

複雑にみえる敬意の対象を問われる敬語の問題ですが、つきつめればこの6パターンしかないのです。

そして、それを見抜くためには敬語の種類を覚えていなければいけませんが、それも最初に挙げた10個の敬語を覚えておけば、とりあえず何とかなる(笑)

これを使って実際にテストで敬語がよく聞かれる源氏物語の若紫(小柴垣というタイトルで習ったかもしれません)で解説をしていこうと思ったのですが、文字数が増えてしまったので、また別のエントリで書きたいと思います。

 

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