新・薄口コラム(@Nuts_aki)

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



積極的に流されるという生き方

「何が好きなの?」「何になりたいの?」

進路指導のときに、とかく「その子の夢」に重きをおく先生や親御さんがいるのですが、僕はそんなに夢って重要なの?と思ってしまいます。

もちろん、僕は「夢を持つな」などと言いたいわけではありません。

夢を追いかけるのもいいけれど、それで目の前のチャンスを棒に振るのはもったいないと思うのです。

 

振り返ってみると、僕はとにかく目の前にあるチャンスに乗っかって進路選択をしてきました。

多分、自らの意思で叶えた事って一度もない(笑)

大学入試は法学部を狙い、いくつかの大学で受かっていたのですが、偶然インターネット出願なるものを開始したばかりで、面白いと思って出したら受かっていた立命館大学の経済学部を選択し、来たこともない関西へ。

漠然とバイトをしようと思ってはいたのだけれど、自らの動くことはなく過ごしていたら、特別親しいというわけではなかったクラスメイトから塾を紹介してもらい、そこから塾講師になりました。

就職活動のときは物を書く仕事に就きたくて、結局内定をもらえなかったので東京に行ってライターのバイトでも探しながら生きようかと思っていたときに、バイト先の恩師から「国語の先生やらへん?」と言われて今の職場に。

社会人?としてそれなりに楽しく暮らしていたら、大学時代の親友に「NPOの関西支部立ち上げるんだけどやらない?」と言われ、そのままそれを引き受ける。

僕の人生の岐路はいつも人任せです。

で、結局僕は今、小さい頃にやってみたいと思っていた先生とライターと広報の仕事が全部できている(笑)

 

こんな自分の経緯もあって、僕はやりたい事は、目の前のチャンスに身を投じてるうちに、いつか機会は巡ってくると思っています。

そして、往往にしてそのチャンスは、全然関係のないところに眠っている。

やりたいことをしっかりと考えることなんかより、目の前に巡ってきたチャンスに飛び乗ることの方が、ずっと、ずっと大切なように思います。

たとえそれが全く自分の想定していなかったことであったとしても、そこに身を投じて、何か信用を積み上げたら、思わぬことに繋がるかもしれないし、それ自体に自分の「生きがい」が眠っているかもしれません。

目標を定めることは自分1人でできますが、チャンスが巡ってくるのは自分の力ではどうにもならないのです。

 

流れに身をまかせるというと主体性がないように思われてしまうことがありますが、流れに身をまかせることと主体的であることは両立できると思っています。

「積極的に流される人」

不安だから周りにあわせるのではなく、どこでもある程度の結果が出せる(と自分に言い聞かせて)から目の前のことに取り敢えず乗っかる。

そういう流され方ならば、僕は悪くないと思うのです。

僕はありがたいことに面白い人たちに囲まれています。

一流企業で、それも異例の大抜擢をしてもらえたのに平気でそれを投げ出して違うフィールドに移る人たち、自分のやりたいことのために会社や公務員を辞めてNPOや会社を作ってしまう人たち。

彼らに共通するマインドが「まあどこでも結果は出せるし」というものだと思います。

だからこそ、今のポジションに執着しないし、リスクも取るこができる。

ブロガーのちきりんさんが言っていましたが、「どこかに活躍できる場所があるのではなく、どこでも活躍できる人がいる」だけなのだと思います。

もちろん僕にはそんな能力はありませんが、それでもそう言い切って振る舞った方が面白いことにたくさん出会えるんじゃないかなと思っています。

 

結果的に受かっていた地元の国公立に行かず、流れで決めた関西の大学を選ぶことで、僕の視野は大きく広がりました。

身1つで暮らし、塾の先生を選んだ事で、交友関係は大きく上の年代に広がり、NPOに属することで、世界が近くなりました。

きっと、当たり前の延長にあった地元での進路を選んでいたら、そんな出会いはなかったと思います。

そして、視野が広がりいろいろなチャンスに乗っかるなかで、結果として選択肢が増えていく。

僕は、「やりたい事」や「夢」に囚われず目の前のチャンスに飛び乗ることは、手札を増やす行為だと思っています。

何も持っていない高校や大学時代にやりたいことにこだわるのは、数枚しかないカードの中で、自分のベストを探すイメージ。

手札をもっとたくさんにした方がよりより選択肢や戦略が立てられて、その手札を増やすのがチャンスに乗ることです。

というようなことをここ数年つよく思ったりしています。

 

積極的に流れに身をまかせるという進路選択。

よくないという人も多いですが、僕は長期的にみたときに、結構アリなんじゃないかと思います。