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新・薄口コラム

こっちが本物(笑)アメブロでやっている薄口コラムから本格移行します。



春は学校で詩を扱う事が多いから、「詩」の指導案を久しぶりに確認してみた

今の塾にお世話になりはじめたとき、塾長に「子どもたちとのレスポンスの中で授業をしなければライブでやる意味が無い」といわれ、それ以降僕は意図的に教案を作るのをやめました。
とはいえ当然思いつきで授業をしている訳ではなく、大まかな流れと、そこで説明に使う「ネタ」はしっかりと仕込んでいます。
(もちろん教材研究や見せ方の研究も欠かしません)
ただ、学生時代にやっていた、板書の行数まで意識して完全に授業内容を組み上げていくスタイルを辞めたというだけのお話。
今でのバイト時代の後輩と会うと、冗談で「模擬授業をやってください」なんてことを言ってもらうことがあるのですが、たぶんもう、当時のようなパッケージになった「見せるため」の授業は出来ないように思います。
なんというか、それまでの授業案がしっかりと細部まで書き上げられた脚本のようなものであったのに対し、今の授業案はざっくりとこれだけは伝えなければと思う内容をト書きにした、司会者のような形です。
そんな訳でカチッとした内容をまとめる機会はめっきり減ってしまったのですが、そうはいっても定期的に知識を時系列で話す「型の確認作業」のようなことをしておかないと、必要な部分で必要な知識を引き出せないようになってしまうので、GWを利用して、僕が組み立てた授業の流れを久しぶりに(ひとり寂しく)総整理しています。
その中でも比較的詩の技法の説明に関してはカチッとしたものなので、この機会にブログで総整理をしてみることにしました。
ということで以下は僕の「詩」の説明のベースにしている指導案です。
因みに直感的な分かりやすさを優先しているため、多少の知識の間違えがありますが、そこはご了承下さい。
また、本来会話で行うものを文字に起こしているので、酷く言葉足らずですがその点も多めに見てください。
前置きだけで1000字近くになってしまった(笑)

そもそも「詩」って何なの?
僕は詩の説明をするとき、第一に「そもそも詩ってなんなの?」という部分から話すようにしています。
国語の扱う分野には、小説、論説文、古文、漢文、文法といろいろありますが、僕が最後まで好きになれなかったのが「詩」という分野でした。
「みんな違ってみんないい」とか、だから何?としか思えなかったんですよね。
で、何でそんなに「詩」が好きになれなかったかというと、そもそも楽しみ方が分からなかったからだと思うんです。
恐らく正しい教え方は、詩を読んでその楽しみ方を自然と感じ取ろうというものなのでしょうが、そもそも興味が無ければそんなの無理(笑)
だから僕はまず、要するに詩ってなんなの?ということと、その楽しみ方を先に伝えてしまいます。

少なくとも僕にとっての詩とは「作者だけが知っている世界のイイ所を言葉で伝えようとしたもの」です、たぶん。
たとえば、殆どの人が気にもかけることが無い「わた毛」だけど、よく見たら飛んでいく姿って美しいよねとか、春の朝、日が昇る直前の紫色の空って、よく見たらきれいじゃね?とかそういう感じ。

少しふざけているように見えるかもしれませんが、今世界で1番有名なイカついおっさん、ピコ太郎さんのPPAPだって、詩として成立しています。

「私はペンを持っていて、私はリンゴを持っている」

この二つを繋げると「アップルペン」になる。

普通はリンゴにペンが刺さっていたら、それは「ペンの刺さったリンゴ」ですよね?

でも、ピコ太郎は違う。

それは「ペンの刺さったリンゴ」じゃなくて、「リンゴが付属したペン」なのです。

PPAPにはしっかりと、ピコ太郎にとっての「俺には世界がこう見える」が書かれているから、あれは立派な詩です(笑)
「言われてみれば確かにそうかも」という世界の美しさみたいなものを届けてくれるのが詩のよさなのです(というか僕はそう解釈して初めて詩を楽しめるようになりました。)

詩には非常に多くのパターンがあって、それは(よせばいいのに)似たもので分類訳がされています。
そのわけ方は大きく2つ。
一つ目が使われている言葉によるわけ方で、もう一つが文の構造によるわけ方です。
今でこそ僕たちは話し言葉と書き言葉が一緒(実は違うけれど口語文と口語の話はメンドクサイ上に複雑になってしまうので興味がある人は後で聞いて下さい)ですが、ちょっと前まで、はなし言葉と手紙などで使う書き言葉は違っていました。
詩はこの書き言葉で書かれているのか、それとも話し言葉(っぽいもの)で書かれているのかで分けられます。
書き言葉で書かれているものが「文語詩」、はなし言葉で書かれているものが「口語詩」です。
で、そもそも「文語」って何なんだって話ですよね。
口語は普段僕たちがラインやツイッターで使っている(完全に単語で送るやつはここに含めないけれど)ので分かりやすい。
それに対して文語文はそもそも普段見かけないので分かりづらいと思います。
基本的に文語文が出てくることはあまりないので、基本は口語文と思って置けば大丈夫です。
ただ、一応の判断が出来るようにしたいので、一つだけ文章を覚えておいて、それに近ければ文語文と考えて下さい。
というわけで一つ例文を・・・
「石炭をば早や積み果てつ。中等室の卓のほとりはいと靜にて、熾熱燈しねつとうの光の晴れがましきも徒なり。」
これは森鴎外ってオッサンのかいた有名な小説の冒頭なのだけれど、意味わからない(笑)
こんな風に、昔は文章を書くときにはそれようの言葉を使っていました。
「~し候」とかも同じイメージです。
因みにこれを口語に直すとこんな感じになります。
「石炭ももう積み終えてしまった。中等室のテーブルはとても静かで、白熱灯の光が点けっぱなしでまぶしいだけである。」
昔の大先生が書いた文章に「分かりにくい」なんてダメだしした上で勝手に訳すなんて、とても恐れ多いことですが、こちらの文章ならば恐らくイメージが伝わるのではないでしょうか。
これが文語と口語の違いです。
見分けるときは、上のどちらに近いかで判別して下さい。
で、迷ったときはとりあえず口語にしておく。


詩の構成による分類

使われている言葉の他に、詩がどんなルールで書かれているかということで仲間わけされます。
次はそのルールについてみていきましょう。
詩の構成には①自由詩②定型詩散文詩の3種類があります。
まず一つ目の自由詩ですが、これを考える前に、一度詩をみて不自然な部分を考えて下さい。
皆さんは文章を書くときのルールとして、一番下の行までいったら次の行に移るというように習っているはずです。
それを踏まえて詩を見てください。
この作者たち、好き勝手なところで改行しています。
これ、夏休みの読書感想文とかでやったら怒られるやつです。
詩は、内容だけでなく、言葉のリズムなども重要な役割を果たしています。
だから、改行なども作者が自由に行うことが殆どです。
この、作者の感覚に合わせて改行が自由にされているものを「自由詩」と呼びます。
殆どの詩がここに含まれるので、とりあえず特徴が無ければ「自由詩」と考えておけばいいでしょう。

一方で、あえて厳しいルールの中で表現しようとする「詩」も多く存在します。
例えば、五・七・五の文字数の中で季節を表す語を一つ含め、自分の美しいと思った世界を表そうというのが俳句。
「古池や 蛙飛び込む 水の音」
「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺
こういったルールに縛られた中での書かれた詩を「定型詩」と呼びます。
定型詩としては短歌や俳句が有名ですが、短歌から季語を抜いたら狂歌、俳句から季語を抜いたら川柳などがあります。
「誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ-(シルバー川柳)」とか、「わんこより 安い飯代 ワンコイン-(サラリーマン川柳)」みたいなものは五・七・五だけれど季語が無いので川柳となります。
「トドラッコ アシカアザラシ オットセイ」
ただ似たような動物を並べただけで全く意味は無いけれど、これだって一応五.七・五になっているので、自分が強引に言い張れば川柳です。
因みに、ルールが決まったものというのであれば、上から読んでも下から読んでも意味が変わらない読み方に「回文」と言うのがあります。
五・七・五のルールにこれを加えたものをいくつか紹介します。
「役人に 知り合い在りし にんにく屋(やくにんにしりあいありしにんにくや)」
因みにこれは「知り合いありし」と文語を用いているので一応文語定型詩(笑)
他にも「ダメ男子 モテ期が来ても 死んだ目だ(だめだんしもてきがきてもしんだめだ)」なんてのがあります。
これが僕の知っている川柳で一番面白い。
他にも、中国の詩に五音×四行で書いて、二句目と四句目の最後を同じ音にしなければならないという縛りで作られた五言絶句というようなものもあります。

そして最後が散文詩という奴ですが、これは殆ど出てこないので特に覚えなくても構いません。
それよりも自由詩と定型詩の区別がつくほうがよほど重要です。
一応説明しておくと、普通の文章で書かれたものということになります。
「普通って何やねん!」という話だと思うのですが、自由詩の説明で触れたように、詩は基本的に筆者が言葉の響きを大切にして、好きなところで改行をしたりします。
細かくは違いますが、ひとまずはそういうことをせずに普通の文章のルールに従って書かれているものが散文詩、自由に改行されているのが自由詩と思っておけばいいでしょう。

っと、ここら辺で僕が昔作った詩の説明の前半くらいなのですが、あまりに長くなってしまったので、後半に分割したいと思います。。。
思いの他文字でやると時間がかかった(笑)

 

 アイキャッチは2年生の教科書に載っている「見えないだけ」を貼ろうと思ったら出て来た「あなただけ見えない」(笑)

あなただけ見えない〈上〉

あなただけ見えない〈上〉